ライネッケとは幼い頃に読んだ物語の中に出てきた

キツネの名前です。

確かとてもずる賢いキツネ、として描かれていたような。

 

もうあらすじも覚えていないけれど

ライネッケ イコール 狐 としてずっと覚えています。

 

ある夜、パテオから

いつものように食器がカランとなる音がしたので

ああハリネズミが来たなと思って確認しようと

パテオの灯りをつけてカーテンを開けると

目の前に大きくて赤い狐がいたのでした。

 

赤い、と書きましたがもちろん真紅の赤じゃありません。

いわゆる「きつね色」赤みがかった茶色です。

でもツヤツヤとしてまさしく「赤い狐」だったわけ。

 

その狐が上目遣いに私を見ながら

ハリネズミ用のミールワームを食べているのでした。

まさしくパテオのドアのすぐ前に

若いハリネズミ用に撒いたミールワーム。

 

普通なら用心深い狐は私の影が差しただけで逃げるのに

この大狐は悠々と「食べてんで。」というように

食べてます。

 

柴犬くらいの大きさだけど

足が長く背が高い、ほっそりした身体。

ふさふさと長い尾。

そして本当に耳まで裂けた口。

目は丸くありません。

犬よりも猫のような目。

瞳が丸いのではなくて爬虫類のように縦長??

 

お稲荷さんのお使いとして選ばれたのもわかるくらい

妖しい雰囲気の中にもアンタッチャブルな感じ。

もう支離滅裂な感想、あんまり間近で遭遇したので

びっくりしたわけです。

 

で、突然浮かんだ

「あ、ライネッケや、リアルにライネッケがおる。」

 

ライネッケはむしゃむしゃとミールワームを平らげます。

今までもハリネズミが来てるときに

狐が通りがかることはありました。

ハリネズミは雰囲気を感じてかパッと針を立て

30秒ほど警戒してからまた食事を続けます。

 

大人のハリネズミは狐の獲物ではないようです。

やっぱり針、痛いもんね。

相棒もハリネズミを確保するときは

溶接用の手袋使ってましたし。

 

だからライネッケのことも

御庭番の脅威としては考えなかったのですが

ええ、暗くなってからパテオに出るの嫌なのに

後から来るであろうハリネズミのために

ミールワーム撒き直すのかあ・・・という考えでした。

 

でもライネッケはふと頭を上げてあたりを伺って

生け垣の前に2匹の小さい狐を見つけると

ひらりと一飛でパテオを飛び出すと見えなくなりました。

 

縄張りに入ってきた若造キツネ達を追い払いに行ったのか

あるいは迎えにきた子供たちと合流したのか

と思ってました。

 

2匹のキツネはライネッケよりも丸い顔で

色も白っぽかったから

まだ本当に幼いキツネ達だったのだと思います。

 

それにしても。

 

ハリネズミ・カササギと続いて

今度はキツネもおもてなしするの???

 

相棒がいたら

きっとキツネの登場に大喜びしたでしょう。

ハリネズミの時もカササギの時もすごく喜んで

時間になると「早くミールワームの用意しないと」なんて

私のことを急かしたのですから。

 

好きな割に自分ではそんなことしない御仁だったわ。

まあ彼も野生動物と変わりませんでしたから

餌は自力で取るもん、だったんでしょうか。

 

写真に向かって

「キツネ来たで。また一生懸命仕事してお金貯めんと

ミールワーム買うの困るな。」と報告しておきました。

 

イギリスのキツネもお稲荷さんのお使いになるのかな。