- 【ヤマハ発動機/YAMAHA】4ストロークモデル船外機 F50FEHDL
- ¥771,750
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春の海
ひねもすのたり
のたりかな
春の海のうららかでゆったりした感じ ですか
冬の海と比べてあまり風の吹かないことが多い
この日も風が無く 沖でただよっていた
見合いの相手の彼女を連れてきた奴がいたので
舵をそ奴に任せて
デッキでごろ寝していた
しばらくすると風がピタッと止み
波に揺れて ギッコンバッッタン帆が左右に行き来している
しばらく このまま昼寝でもしようか
とマストトップの風見を見ると
くるくる風見が回っている
あれ… おかしいな 風見もギッコンバッたんじゃないのか
嫌な予感がして 体を起こして 周りを見渡した
まずい!陸から白波を立てて 猛烈な風が迫っている
「風だ!つかまれ!」 と叫んだとたんにヨットはほぼ90度横倒しになった
「きゃー!!」彼女の空気を切り裂く声も風にかき消された
彼女はエクステンションにぶら下がって足はブラブラ
かろうじて落水は免れそうだ
慌てて 突発のことの対処の出来ない奴から 舵を奪い取って
メインセールから風を逃がした
一気に元の体制に戻り
ヨットを風上に立てて 体制立て直し
辺り一面の白波 波頭が風で飛んでいる 風速20mは超えている
春一番だった
乗員4名の内ひとり女 そして奴はほぼヨットの知識なし
2人で港まで帰らなければいけない
セールを全て下ろしてエンジンで帰還することに
ところが港の入口の方から風が吹いてきている
ハウが風と波に叩かれて5馬力の小さな船外機エンジンでは帰れない
その時 20fほどの平船が同様に港に向かえず 風を斜めに受けながら横切った
釣りに行ってての春一番に遭遇のようだ 船長以外は全員体を低くして這いつくばっていた
かなりヤバそうだ
こちらも このままでは風が収まるまで海上待機か
しかし 女も乗せてるしそういう訳には・・・
ふと 今まで何かの時に必要か?と思って常備してあった ストームジブを思い出した
ストームジブ(嵐のジブ)と言うぐらいだから 今使うんじゃないかと思い
とりあえずストームジブを上げてみた
するとヨットはストームジブに風を受けて 嘘のように安定したスピードで
風上へと昇って行く
何回かタックを繰り返し 港の中に入港
港内は風はきついが波はない
ストームジブとエンジンでバースまで帰還することができた
さすがストームジブだ こんな時にこれほど役に立つとは
備えあれば憂いなしだ
これがきっかけで奴と彼女は結婚が決まった
まったく ストームジブ様様だ