2003年 東大数学 文系第3問 理系第4問(整数と漸化式、帰納法、1の位、周期性) | 東大に文理両方で合格した男が綴る、受験の戦略

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2003年 東大数学 文系第2問 理系第3問

受験直前期で多忙のため、頻度が落ちてますが、書く気はまんまんなのです。

お待たせしました。

今日は2003年の整数です。

 

前回の1997年を読んでない方は、先にそちらをどうぞ。

 

では、問題です。文系はこれで、

 

 

理系はこちら

 

ぱっと見、似てることはお分かりでしょう。

しかし、実は与えられた式がちょっとだけ違う!!(文系は+1に対して、理系はー1の部分があるでしょ!?)

凝った作りしてますね。実はこの違いで、問題が大きく分岐する問題でした。

 

それでは、解説行きましょう。まずは文系から。

理系の問題は、文系の後に描きますが、文系の部分を読んでから進んでくださいね。

 

共役な無理数を、n乗して足すと整数←有名事実

まず(1)ですが、これは前回の1997年の記事をとほとんど同じです。

そして(2)の前半では、Snが正の整数であることを示すのですが、Snが正だというのは一瞬で証明できるので、Snが整数であることを示すのに全力を出してよくなります。そして、そのために必要なので、漸化式を作るという流れになります。

そして、ここまで含めて1997年と同じです。

 

と言いつつも、ちょっとだけ補足をしておきましょう。

1997年の問題では、具体的にaとbの値を求めませんでしたが、求めようと思えば求められました。

今回の2003年の問題でも、2次方程式を解けば、共役な二つの無理数解が得られます。(2+√3と2-√3)

 

あまり知られてませんが、「共役な複素数」という言葉があるように、「共役な無理数」と言い方もします。無理数の符号が逆の2数を「共役な無理数」といいます。

 

そして、共役な無理数を、それぞれn乗して和を取ると(つまり、今回のSnのこと)、必ず整数になるのです。

 

これを証明させるのが、1997年の問題であり、今回の2003年の前半部分なのです。(大雑把に言えば)

 

具体的には、3項間漸化式を立てて、強化帰納法で証明するというもの。

細かい計算はこうです。

 

これは、有名な証明ですし、東大で頻出ですから、ぜひとも覚えてしまいましょう。

 

証明法その2

せっかくなんで、これの証明法の別バージョンをご覧ください。こちらも有名な証明法です。

方針としては、αのn乗の「有理部」と「無理部」を数列で表し、βのn乗と一致することを示して、和を取るわけです。

いずれにせよ、結論が整数になるので、しっかり覚えておきましょう。

 

文系(2):1の位の数を求める2つのキーワード

では、(2)の後半。Snの1の位を求める問題です。

 

さて、1の位を求めると聞いて、何を思い出すでしょうか?

キーワードを2つ覚えてください。

 

1つ目が「合同式」の利用ですね。(東大数学では、超頻出です。)

 

1の位の数というのは、10で割った余りと全く同じです。

よって、mod10を計算すればよいことになります。

 

そして、2つ目のキーワードが「周期性」です。

中学受験でも、1の位を計算させることがありますが、中学受験から全く進化せず、東大受験だろうがやることは同じ。周期を探すのです。

 

今回は、

S1≡4

S2≡4

S3≡2

S4≡4

S5≡4

S6≡2

 

となるので、どうやら、4、4、2・・・と続くのではないかと予想します。

 

周期性の証明方法2つ

あとは、これが延々と続くことを示せばよいのですが、この証明方法が2つあります。

 

1つ目は、漸化式をいじって証明するというものですが、これはラッキーでないと証明できません。

今回の漸化式をいじってみましたが、うまくいかなかったので挫折しました。

 

もう一つは帰納法です。

さっきのに比べて、かなり面倒臭いのですが、確実なので仕方なくても帰納法を使いましょう。

このようになります。

 

文系(3)またまた1の位

では、文系の最後の問題に行きましょう。今度はα^nの1の位を求めよ、となっています。

Snは整数でしたが、α^nは無理数のn乗ですから整数になりません。果たしてどう証明するのでしょうか。

 

この問題は、問題集や参考書に同じパターンが載ってないので、難しかったと思いますが、βがものすごく小さい値だということを利用します。

本番でこの発想が出てきたら、大興奮するでしょうね。

 

具体的には、βは0から1の間の数です。これだけ調べられればOK。

だって、Snから1未満の数を引いたのがα^nだとわかるわけですから、Snの1の位から1を引けば、答えが出ます。

 

ということで、手書きの解答はこちら。

 

 

理系第4問(2):ただの計算問題だが・・・

では、調子にのって、理系の解説も一気に行きましょう

理系の(1)に関しては、文系の(1)とほとんど同じなので割愛。(2)からスタートします。

 

(2)の問いは、「β^3以下の最大整数を求めよ」というもの。

「え??要するに、数値計算するだけでしょ??」

ということで、非常に簡単な問題に思えます。

 

さっそくβに値を代入してみます。すると、かなり面倒臭い近似が必要な値が出てきました。(当たり前のように、字数下げを行いましょう。)

 

ということで、代入するのはおススメしません。

 

 

では、どうするかというと、もっと簡単♪

そもそもβの値が、-1<β<0を満たすので、3乗してもー1と0の間にあります。

これだけで証明終わり。

 

すぐに代入するっていうのは、良い結果にならないことが多いので、覚えておいてくださいね。

 

理系(3)いつものフォーマットで、正の整数を証明

では最後。

(3)では、α^2003以下の最大整数の1の位の値を求めます。

 

さて復習。

1の位と言ったら?合同式なので、当然のように合同式を使うのですが、

そもそも、Snが整数になるという証明がされていません。

ということは、合同式がまだ使えないということですから、まずはいつものフォーマットで、Snが正の整数になることを求めましょう。

 

これで、Snに対して、合同式を使えるようになりました。下準備完了。

-1<β^2003<0の証明

では、次の問題は、Snとα^nの関係です。

実は、(2)がフリになっていて、βの3乗でもほとんど0ならば、βの2003乗は、もっと0付近だろうということに気づかせたいのでしょう。

 

ということで、(2)と同様で、-1<β^2003<0を証明します。

これは、簡単に済ませましょう。

 

1の位は、周期性→証明

最後に、Snの1の位に行きましょう。

文系の問題と同じように、合同式で周期性を発見し、それを証明します。

証明法も、漸化式で済ませようと思ったら失敗したので、帰納法に進むのも同じ。

ということで、全体の解答をどうぞ。

 

 

まとめ

このタイプの問題が東大では頻出です。

整数の証明、帰納法、漸化式、あたりで問題を解かせる問題よく出ます。

まだ、このシリーズを続けて解説行きますので、どうぞ次回をお待ちくださいませ。

 

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