教科書レベルの経済を理解しようシリーズスタート
前回、非常に好評いただきました、今の日本に必要なのは減税!教科書レベルの経済を理解しよう。
今日から、ゆっくりと経済の解説をしていこうと思います。
と言っても、受験に出て来る知識を網羅するというより、経済をボヤっと理解するというか、ポイントを掴むという感じなので、あまり細かいところまで触れません。
受験生なら大雑把に流れを掴むのに役立つ感じ、大人なら日々のお仕事や、今の日本経済への基本的な考え方を知るといった感じです。
まずは基本単語
高校の政治経済の教科書では、始めに財やサービス、希少性やトレードオフなどの基本単語の紹介から入ります。
※ちなみに「経済」という単語は、福澤諭吉が「economy」に対する和訳として言葉を当てたもので、中国の古典の「経世済民(世を治め民を救う)」からきています。早く救ってくれ。
財とは有形のもので、サービスとは無形のもの。
タマゴを買った、野菜を買ったなんてのは財を買ったことになり、アマゾンで配達をしてもらったとか、お医者さん診察してもらったってのはサービスを受けた事になります。
市場とか貨幣とか生産・支出・分配なんていう用語も登場しますが、細かいし、そのまんまなので割愛。
大事なのは希少性。
生産出来る財やサービスは、どうやったって有限ですから、全ての人が無料でもらえるわけにはいかず、
希少性が生まれ、希少性に応じて価格が決まります。(お金かけてでもガチャ回して、レアモンスターをゲットしたくなるってことですね。)
この希少性っていうのが大事で、後々出て来る好景気とか不況とか、インフレとかデフレに直結します。
トレード・オフっていうのは、「何かを得るには、何かを捨てなければならない」ってこと。
何か欲しけりゃ金払え、お金欲しけりゃ働け、ってことですね。
市場経済と計画経済
その次は、資本主義国の市場経済と、社会主義国の計画経済の説明に。
今の世界では、この2つの経済体制があります。
これは大事ですし、皆さんも興味あると思うので、教科書の画像をどうぞ。
面白いのが、市場経済はメリットとデメリットの両方が書いてあるのに、計画経済はデメリットしか書いてないところ。
計画経済って良いところないじゃん!って、高校生が思ってしまうのでは?
では、真面目に説明しますが、資本主義の市場経済っていうのは、要するに今の日本のやり方。誰でも何でも自由に買い物出来るし、儲ける競争したり、価格を下げる競争したり。
キーワードは自由と機会の平等です。
一方、計画経済っていうのが分かり辛いかもしれませんね。この教科書の記述を読んでもイメージ出来ないと思います。
まあ、無理もありません。
今の世界、社会主義国は4か国しか残ってません。中国、北朝鮮、ベトナム、キューバの4つです。
しかし、計画経済を採用しているのはキューバと北朝鮮で、中国とベトナムは計画経済をやめて市場経済に移行してしまいましたので。
教科書ではこの後、資本主義と社会主義の詳しい説明に入ります。
が、ポイントは資本主義の説明ばっかりだということ。
どのくらい資本主義ばっかりかというと、教科書の本文から社会主義の説明が除外されてるくらいです。
手元にある教科書を探しましたが、本文にはありません。
欄外というか、おまけコーナーみたいなところに、ちょこっと載ってました。
(さっきの画像の部分で、経済主体の文脈ではちらっと出ますが。)
この部分の説明を書きだすと、
「私有財産制度と利潤追求の自由は否定され、財の生産と分配は、中央政府の計画と指令に基づいて行われる。そうすることによって、景気循環や失業はなくなるとされた。しかし、当初は順調に進んでいた計画経済も、やがて工業生産の不振、生産性の低下などに苦しむようになり、次第に市場経済の要素を取り入れるようになった。ソ連崩壊後の1990年代には、ソ連のあとを受けたロシアや東欧諸国は市場経済へと移行した。」
計画経済のキーワードは、結果の平等。
みんなに必要なものを、必要な分だけ作って、均等に分配すれば幸せじゃないか。
中央政府が主導で、計画を立てて、皆が働けて暮らしていける社会を実現しようと理想を高く掲げたけど、実現不可能なことに気付き断念。
ま、そりゃそうでしょ。
競争がないと、人って頑張らないですしね。
資本主義の説明は、5ページにわたって書かれてるんですけど。。。
昔の教科書では、詳しかった
ものの試しに、昔の教科書を開いてみました。(平成10年に文部省検定済のものです)
するとビックリ!
社会主義についての記述がたくさんあるではないですか!!
資本主義の事もたくさんかいてありますが、社会主義にも負けず劣らずページ数を割いています。
面白かったので、スキャンしました。
カール・マルクスです。
マルクスと言えば、そちらの親玉。ウィキペディアにもしっかり書かれています。
包括的な世界観および革命思想として科学的社会主義(マルクス主義)を打ちたて、資本主義の高度な発展により共産主義社会が到来する必然性を説いた
しかし、普通マルクスと言ったら、こういう髭面の写真じゃないかと思うんですよね。
詳しくは書きませんが、本文を読んでも、良い印象を受けることが書いてありますし、わざわざイケメンの写真を使うし。
何か意図があるのか?と勘繰りたくなりますが、ここまでにしておきましょう。
とにかく、僕の手元にある昔の教科書には、長々とイケメンの写真付きで書いてあったのに、今の教科書からは本文から消えてます。
僕のブログのこのシリーズでも、もう触れる事はないでしょう。さようなら。
ということで、次回は資本主義の説明に行こうと思います。
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