まず最初に![]()
2020年の年明けから世界を震撼させた、当時は死の病だったコロナが猛威をふるっていた頃のお話です![]()
ですので、外出もままならず、人混みを避け、電車にも乗れず、夫もリモートワークだったことをご承知おきの上、お読みいただけると嬉しいです。(2025.02追記)
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昨日は、31日。今年、中学受験の小6娘ちゃんがいるお友だちと「明日、全力が出し切れるといいね」なんて話していたら、わたしまでドキドキが止まらない。
もう一昨年のことなのに、動悸がするほどに気分が引き戻されてしまったので、ここは動いたほうがいい!と、小6娘ちゃんの受験する学校に関係しているお墓まで急遽お参りしてきました。
さて、一昨年2021年の2月1日。
ここには書いていなかったと思うのですが、わたしたち親子はとても間抜けでした。
(あとで消すかもです!)
まずは娘が1月受験時の「お母さんとふたりきりの小旅行モード」が気に入っていて、学校までの道のりを短距離とはいえ楽しみにしていたことから始まりました。
「行ってきまーす!」
ふたりで「今日も楽しもうね」と玄関を出ると、身支度が済んだ夫もなぜか一緒に家を出ます。
はて?仕事にでも行くのか?駅まで送ってくれるというのか?と思っていたら、なんと一緒に電車に乗って学校の最寄駅までついてくるではないですか。
2月1日という一番大切でナーバスな日に、娘が緊張を楽しみに変換しようとしていた「お母さんとふたりきりの小旅行モード」が、これでは台無し。
左を見れば「お父さんは来ないで」ということもできずマスクの中で涙を流している娘がいるし、右を見れば妻と娘をさりげなく守っているオレに大満足してる夫がいる。ここは地獄かな。
今日は娘最優先。夫が傷つくのはわかっていたのですが、来ないでほしい理由を説明して「なぜ」と娘の精神状態を深掘りされたり「でも」と粘って説得されたくなかったので、たった一言「今すぐ帰って」と。
「え、でも俺がいたほうが……」「いいから、か・え・っ・て。どこかで待っててもいいから」と、ものすごい圧と怒りのオーラで引き返してもらいました。
安心して「お母さんとふたりで電車に乗るのを楽しみにしていたの」とシクシク泣く娘をよしよしして、なんとか会場に送り込みながら、暗澹たる気持ちになったのを思い出します。
親の不安に反して、試験が終わって出てきた娘の顔は晴れ晴れしていました。
「お母さん、わたし今日ひとつ学びがあったよ!あのね、まずは答えを書いてから計算し直しをしたほうがいいね。最後の問題、一度解いて計算し直ししてたら答え書き忘れちゃったよ」
えええええ!今、それを学ばないで!
でもニコニコしていたので手応えはあったのかな、と探りを入れてみるも。
「え?今日は苦手な問題がたくさん出たから今いちだったよ。でも今日、苦手な問題が出たってことは明日は得意な問題が出るってことだから、今日がダメでも明日は受かるでしょ」
うそーん。
そして午後校=わたしの母校へ移動。
近くで美味しいご飯をいただきました。
食が細い娘は知らないお店のご飯をとても警戒するので、下手すると食べない可能性もあり。そこで近辺にお勤めしているお友だちに教えてもらったお店に一度来て「美味しい」と確証をもらったお店でランチすることに。
食後のお茶をいただきながら、娘はiPhoneにいそしんでクスクス笑っています。
午前中、書き忘れもあり苦手な問題ばかりという手応えだったのに、君はメモチェの1冊でも開こうと思わんのかね、と思いながらも、まだこの時点ではニコニコと女優を演じていました。
そのあとは時間が余ったので本屋に入り、待ち時間に読む本を探すため少し離れて戻ると、なんと娘が床に座っているんですよ。本屋の床にペタンと、リュックを広げて。
なんというシュールな絵。
小6女子がなぜ本屋の床に座り込んでリュックの荷物を広げているのかな?
「えーと、次に受ける学校の受験票を探しているんだよ♪」
あれほど!わかりやすい場所に!入れておけと言ったのに!今それか!しかもコロナのこの時期、床に座り込むって!
2月1日は女優業の本番です。長かったリハや緊張のゲネプロ(1月)を経て、舞台の幕があがったばかりの今日、まさかの女優の仮面をかなぐり捨てての大激怒。
座っているのも驚いたのですが、あの頃のコロナは変異前で強毒性のウィルスだったのです。
それで「お母さんにうつしたら悪いから」と、塾を1年間も休んでテストにしかいかなかったのは、どこのどいつだー!
「なんで本屋で座り込んでいるのーーー!!!!!」
本屋で怒ったわたしもわたしですが、怒られた娘も「もう午後、受けないからね!」とプイッと走ってどこかに行ってしまいました。
まさかの試験当日、娘行方不明事件。
おいおいおいおい。2月1日にこんなバカなことをしている親子はうちだけじゃないかな。
今日、二度目の暗澹たる気持ちになりながらも、とりあえず本屋を出て公園のベンチに座り、持たせたiPhoneの位置情報をチェック。
すると、娘が歩いて学校に向かっていることがわかりました。GPSの位置情報がテクテク動く可愛さよ。
なにせ何度も来ているわたしの母校。場所はわかっているし、道も危なくないし、iPhoneのmap機能も使えるので向かう意志さえあれば大丈夫。
通い慣れた道を、しみじみ「最後まで娘は娘だった」と感慨に耽りながら門まで行くと、ちょっとツンとした顔して「わたしのほうがつくの早かったもんね」と照れたようにイバられました。
そして顔を見合わせて大爆笑。
「わたしたちって最後まで変わらないね」と大笑いして、「その勢いで楽しんできて!」と送り出しました。
もう、こんな1日でした。
でも、なんとかなりました。
ある意味、いつも以上にいつものわたしたちでした。
ベストコンディションで送り込めなかったと落ち込んでいらっしゃるお母さんがいても大丈夫です。
熱望校からお守り校まで、何ひとつ娘の穏やかな気持ちを守ってあげられませんでしたが、なんとかなりました。
今から午後校を控えていらっしゃるご家庭も多いと思います。
緊張の待ち時間、もしこのブログに迷い込まれたら、一昨年お間抜けだった母娘をご笑覧いただけると幸いです。
