桜、咲きました。

 

かつて娘には志望校がないと書いたことがあります。

今年に入ってからもその状態は変わらず、結果、2月は偏差値ベースでチャレンジ校、本命校、安全校を中心に、わりとヘタレめな守りの日程を組みました。

 

そのうちのひとつはわたしの母校です。昔からの友人が先輩ママ友として他の学年にいてくれるし、OG会にも友達がいて娘を可愛いがってくれるし、文化祭も毎年行っているので娘も慣れているし、で、気が楽。

そして残り2校も、ホームパーティや軽井沢で小さな頃から交流してきた同じ年の内部進学のお友だちがいる学校、赤ちゃんの頃から仲良しのお姉さんがいる学校です。どこに行っても知り合いが先輩ママとしていてくれて、内部の話が聞けて安心できる、そんな学校選びをしていました。

 

そんなこんなで親の決めるままに適度な学校を受験し、その中でご縁をいただいた学校にさほど有難くもない気持ちで進むんだろうなと寂しい気持ちでいたのですが、運命の日は1月初旬に訪れました。

「お母さん。○○って学校知ってる?」

(娘は学校名に興味がないので御三家すら正確に全て知っているか怪しい)

聞けば学校の仲良し3人組は塾もいっしょ、クラスもいっしょ、『二月の勝者』的に言えば偏差値も仲良し。その3人組のあいだで「チャレンジ校はそれぞれ違うけれど、本命校を同じにしない?」というような提案がなされたそうなのです。それが○○。

 

娘が初めて口にした学校名。友達と一緒に頑張ろうと想う気持ち。

それだけでも嬉しさに震えましたが、ホームページを見ると娘のやりたい部活がとても活発な様子。

そのほかの要素も嘘のように娘にピッタリ。これは素敵。

偏差値は、と言えば、まさに適正ど真ん中。全ての日程の平均偏差値が80%合格ラインそのものの値でした。(1日目には余裕があり、最終日には少し足りない)

とはいえ偏差値だけでは安心できない。相性というものがある。中学受験の問題は「こういう生徒が欲しいんです」そんな学校から児童へのラブレターと言われるほどに、学校別に個性があります。

そこで塾の先生に相談したところ「大丈夫です。今まで目指してきた学校と方向性は一緒です。チャレンジ校との相性もいいです。やだなあ、前にもオススメしたじゃないですか!」と背中を押していただけました。以前いただいたオススメ学校表を見ると確かに書いてある。ありがとうございます、そして、すみません。

 

そして一度決めたからには「志望校なし」が突然「熱望校」になるゼロ100の娘。

過去問をせっせと解き、無事に桜の花を見ることができました。

最後の最後に娘が「この学校に行きたい」と言ってくれて良かった。

この数年、娘から一番、聞きたかったのはこの言葉でした。

 

とはいえ、ここまで来るのに満身創痍。

特にわたしの作戦負けが込んだ攻めの1月。

大人でも難しい中学受験特有の勉強をするだけでも大変なのに、何度となく「不合格」という受験さえしていなければ子供に見せたくもなかった、「不適合者」にも脳内変換される苦い文字をたたきつけられながら、本当に夢に向かって受験を頑張った12歳の戦士たち、子供といっしょに心えぐられ涙を流しながら伴走したお母さんお父さん(うちの場合は夫は冷静担当)すべてを尊敬します。

春はすぐそこ。