男のロマンというか夢を具現化した人
命は平等という万人に受け、万人に不都合になりやすい理念を掲げ圧倒的な自由度で邁進する。
難しい理念だけど人生をかけてとても実現したい、実現できたらいいなと誰も思う難題に邁進していく。人を惹きつけ圧倒的に突破していく。
トラオは人に高い責任と役割を与えられ、今まで無かった夢を現実のものにしていく。
そこに必要だったものが高い夢だけに政治であり、その政治の環境が医療の世界と絡み合い、一般人の一般的な感覚からはとても理解できないが、一方で日本人が暗黙にも無意識にも結果的に個々の利権を正当化させてしまっている場だけに、トラオは自然に圧倒的な毒を持って毒を制するしか無かったのだと思う。
個人の人生を世に捧げ切れた人。
世を変えるために戦う人を、価値ある明日の未来を考えず、風化していく過去にしがみついて戦わない人が潰していく社会に明日はない。
トラオのような人が生まれにくい世の中となったが、今のテレビ、雑誌などの重苦しい無味で古臭さを感じるメディアを進化させ、ネット社会を通じ自由な論評を讃え、個々の多様な人生をそれぞれが正しく判断でき、広く受け入れられる社会に変わって欲しいと思う。
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トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 (小学館文庫)
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