『おれの眼を撃った男は死んだ』
『おれの眼を撃った男は死んだ』
シャネル・ベンツ著
高山真由美・訳
東京創元社
2020年5月刊
帯文を引用しますと――
人間の本質を暴き、一瞬の美しさを描く珠玉の10編
O・ヘンリー賞受賞作収録の傑作短編集!
参加者は幹事含めて7名でした。
リアルでの西東京読書会にいつも参加してくださっていた方々やお久ぶりの方など
みなさんの感想を少しだけご紹介します。
「煮詰まった関係が描かれている」
「選択肢のない、選べない人々の物語」
「ドロドロしているのに読後感は悪くない」
「内容がよくわからない、消化できない話もある」
「タイトル、装丁など、本のつくりがかっこいい」
「信頼できない語り手の作品がある。ミステリの手法か」
「どれも長編になりうる作品」
「ハードボイルド的、純文学風などさまざまなジャンルの作品があり、バラエティに富んでいるが短編集としてまとまりがある」
10編中どれがいちばん好きか、非常に難しいと思われますが、おひとりずつ選んでもらいました。
そうしたら、見事にばらけました。
下記に挙げておきますと――
「よくある西部の物語」
「死を悼む人々」
「アデラ」
「認識」
「われらはみなおなじ囲いのなかの羊、あるいは、何世紀ものうち最も腐敗した世界」
「蜻蛉(スネーク・ドクターズ)」
「思いがけない出来事」……これはわたしのチョイス。
これだけ好みがわかれるのもあまりないことじゃないでしょうか。
つまり、収録作がほんとにどれもすばらしいってことの表れではないかと。
ちなみに表題作はないんです。
印象的なタイトルなのでてっきりこういう作品があるんだろうと読むまえに思いこんでいましたが。
とにかく先にご紹介した帯文どおり、まさしく「傑作短編集」なので、ぜひみなさまご一読ください。
こういう作品訳せるようになりたいなあ。
高山真由美さん、すごいです!