アンデルセンが生涯をかけて書いた156編の童話と、グリム兄弟が最後まで手をいれて改版した『子どもと家庭のメルヒェン』7版、210編。 ここ5年ばかり、毎日がアンデルセン童話とグリムの童話の翻訳作業の日々だった。いろいろな仕事や役職をことわって、ひたすらひきこもる。 2RMTつの童話集には、日本でも先人たちのすぐれた翻訳がある
時代を経たものでも、訳文として容易に動かせない、つまりだれが訳してもそうならざるをえないくだりがある。そんな一行にたちいたると、本邦初訳の作品を手がけたほうが、どれほど自由だろうとフラストレーションをおぼえたものだ。各国語の訳文を調べてみると、けっこう大胆な省略?超訳にも出合った。その反対に、新事実の発見とか、とくにアンデルセン自身が気づかずにつじつまのあわないことを書いているのを発見して、担当の編集者と笑ったり、どうしようか思案するのは楽しかった
。 ともにドイツ語からの翻訳だが、アンデルセン童話だけは、デンマーク語原典を参照したり、英語やフランス語版の訳文を参考にしたり、手間のかかることであった。思えば長い旅のはじまりだった
関連トピック記事: