ブティヴァダル・ソロス著
ブタペストのヨーロッパ中央大学は揺れている
ハンガリーのブダペストを拠点としてきた中央ヨーロッパ大学(CEU)が政府の独断で国外追放され、11月15日、オーストリアのウィーンで正式にキャンパスを開いた。ハンガリーのオルバン政権は同日、ブダペストで大型スタジアムを開設している。
予想どおり、政府が牛耳るハンガリーのメディアはスタジアムの話題で持ちきりとなり、CEU国外移転のニュースは無視された。同校は世界の大学ランキングでも高く評価される名門なのだが。そしてこの日、欧州連合(EU)の指導層も多くが口をつぐんでいた。EUで初めて大学が亡命を余儀なくされたにもかかわらず、である。
大学ができるたのは。ソロス家の人々が第二次世界大戦を生き延びたからした。 その家族の歴史がこの本『仮面のダンス』
ブタペストで戦時下に隠れて生き延びた
投資王、ジョージ・ソロスとその父、ティヴァダル一家はユダヤ人であった。彼らはナチ党支配下のハンガリーをいかに生き延びたのか。弁護士であったティヴァダルは緊急避難と正当防衛という概念を正しく理解していた。ゆえに、非ユダヤ人としての身分証明書等を偽造し、ダビデの星をまとうことなくキリスト教徒としてひっそりと生き延びたのだった。一家全滅を防ぐため、家族を分散させながら。自称「擬態」である。ティヴァダルは第一次世界大戦時にロシアに囚われ、シベリアの捕虜収容所から脱出した経験を生かした。この親にしてこの子あり。
20世紀前半のハンガリーにおけるユダヤ人社会や、これまで日本に紹介されることが少なかったドイツ軍占領下のブダペシュトの様子を克明に描くと同時に、投資家、社会事業家として世界に名を馳せる息子ジョージ・ソロスの思想を育んだ背景も明らかにする。
「この日本語版は、本書『仮面のダンス』の11番目の言語への翻訳である。父ティヴァダル・ソロスが、今や日本の読者に直接語りかけることができるようになったことを、私はとても嬉しく思う。ハンガリーを占領したナチスに直面したときの父の勇気、楽観主義、そして創意工夫によって、私たち家族は生き延びることができた。またこういった父の美点は、生涯を通じて私の発想の源であり、私を鼓舞しつづけてきた。今度はこの本を通じて、きっと多くの人たちを奮い立たせるであろう。」(ジョージ・ソロス
人生は美しい ̶ 変化と冒険で溢れている。
ただ、運を味方にしなければならない。
嬉しく思う。
ハンガリーを占領したナチスに直面したときの父の勇気、楽観主義、そして創意工夫によって、私たち家族は生き延びることができた。生涯を通じて、私の発想は、父のこうした価値観に刺激されてきた。本書によって、もっと多くの人たちに刺激を与えてくれるだろう。―ジョージ・ソロス
1944年3月から翌45年2月まで、戦況の不利に喘ぐ終末期のナチス・ドイツに占領されたハンガリーの首都ブダペシュト。
ユダヤ系ハンガリー人の法律家ティヴァダル・ ソロスは、妻と義母、そして二人の息子や親しい友人たちとともに生き延びるために、「仮面」をつけて生活する道を選択した。極限状態にあっても冷静さとユーモアを失わず、偽造の身分証や隠れ家を求めて繰り広げられる頭脳ゲーム。結果として、家族の全員と数多くのユダヤ人の命を救ったティヴァダルが、濃密な1年弱の経験を語った自叙伝が本書である。
20世紀前半のハンガリーにおけるユダヤ人社会や、これまで日本に紹介されることが少なかったドイツ軍占領下のブダペシュトの様子を克明に描くと同時に、投資家、社会事業家として世界に名を馳せる息子ジョージ・ソロスの思想を育んだ背景も明らかにする。
当時のブタペストのユダヤ人社会の見えを張る。いい靴といい服でかっこよくユーモアのセンスのある男たちの社会で如何に勇気もって生き延びたかが面白い作品です。 写真家のキャパの家の近くにソロス家もあったようですね。
