
マルク・ロジェ著 藤田真理子訳
高校は卒業したが、バカロレアに落ちたので就職もままならないグレゴワール。母のつてで老人ホームで働き始め、入居者である元書店主、ムッシュー・ピキエと出会う。パーキーソン病と緑内障のため自力では本を読めないムッシュー・ピキエに朗読をしているうちに、評判が広がり、ほかの入居者や面会にきた家族、ホームのスタッフま病気を抱えた老人であったり、学業についていけなかったり、性的マイノリティであったり、移民であったりと様々な社会的弱者が登場し、そうしたもろもろが否定されることなく、あたたかく包み込まれていくという点においても読み心地の良い物語 劣等生だったグレゴワールが本を読む楽しみに目覚めていくさま、恋に夢中になる様子に気を取られていたが、舞台は老人ホーム……。しかし、意外にも結末はつらくない。