『失われた女の子 』(ナポリの物語 4) 貧しさと暴力が蔓延る美しい街港町ナポリの友情物語  | ・・・   旅と映画とB級グルメ と ちょっと本 のブログ

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エレナ フェッランテ 著 飯田 亮介 訳
生まれ故郷のナポリに、子どもたちとともに戻ってきたわたし。実業家として成功しつつある親友リラの近くに住みはじめたが、わたしたちを新たな苦難が待っていた。ふたりの女性の人生を描いたイタリアのベストセラー四部作、ついに最終巻。
何よりもまず、貧しい団地で生まれ育った二人の少女が共に成長し、それぞれの道を選び、時に離れ、時にまた歩み寄って生き抜く物語を、彼女たちの老年期まで描ききった素晴らしさ。こういう物語を読みたかったんだ、ということに気付かされた。単純に女の友情の物語が読みたい、というのもある。と同時に、二人の女性の異なる人生が描かれることで降りかかる女性問題がより多岐に渡るのも読み応えがある。

ナポリの貧困層に生まれ、古い因習と闘いながら道を切り開いてきたエレナと、実業家として成功したリラ。彼らは、第二次世界大戦後のナポリの貧しい、暴力的な、犯罪に苦しむ近所で親友に育った。エレナは良い女の子で、勤勉で良心的で、まともな学校の場所を勝ち取り、フィレンツェでの新しい生活に逃げるのに十分な幸運でした。彼女は成功した作家になり、著名な家族の教授と結婚します。リラは激しい、衝動的な、不安定なものでした。「ひどい、眩しい女の子」で、彼女の鋭い肘と鋭い舌でみんなを威inします。彼女は学校を去り、若くして結婚し、ビジネスを成功させます。彼女は古い近所の一種のパワーブローカーになりますが、彼女はそこに閉じ込められたままで、彼女の輝かしい芸術的贈り物は未実現です。
エレナが二人女子母親としての安定した結婚を捨ててリナの元恋人のニノもとへ行き同棲妊娠ナポリに戻り出産。リナも同時期に妊娠して出産する。地震のナポリ。誘拐の都市ナポリ。不安定な政治町ナポリ。賄賂とコネと暴力のナポリ。
失われた女の子 その陰にあるのはナポリの暴力カモッラ 地区のファミリーでは?
1912年にカモッラの活動の調査では、賭博場、売春宿、公共輸送機関の運転手(馭者)、船頭、物乞い、売春婦、盗賊、ウェイター、ポーター、市場の商人、果物の行商人、小商人、宝くじの当選者、質屋から恐喝によって金を徴収し、全ての密輸業を支配して不正な金を儲けていたことが判明した。
カモッラは統一した組織ではなく、それぞれのファミリーがそれぞれの思惑で活動しているというカモッラ構成員は服装を派手にして自分を誇示する
ナポリの住民たちは、これまではカモッラを恐れて彼らの言うがままに従ってきたが、現在では監視団体を作って団結しつつある。
ナポリの現代史でもありますね。美しい山ヴェスヴィオ山はいつもそれを見ていた。