『低地』ジュンパ・ラヒリ/著 小川高義/訳 を読んで | ・・・   旅と映画とB級グルメ と ちょっと本 のブログ

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『低地』ジュンパ・ラヒリ/著 小川高義/訳 を読んで
 

若くして命を落とした弟。身重の妻と結ばれた兄。

過激な革命運動のさなか、両親と身重の妻の眼前、カルカッタの低湿地で射殺された弟。遺された若い妻をアメリカに連れ帰った学究肌の兄。仲睦まじかった兄弟は二十代半ばで生死を分かち、喪失を抱えた男女は、アメリカで新しい家族として歩みだす――。着想から16年、両大陸を舞台に繰り広げられる波乱の家族史。

インドのカルカッタに生まれた兄弟、スバシュとウダヤン。第二次世界対戦が終わるころから話は始まる。中流の暖かい家庭に育ち、それぞれが聡明なる思考を宿してゆく。

理科系の二人。兄スバシュは環境科学、弟ウダヤンは化学を専攻し大学院に進む。

ウダヤンは社会思想、差別社会に憤りを感じ、やがて闘争活動に身を走らせてゆく。学生ながらガウリという思想史を専攻する女性をめとる。

海洋化学を専攻する兄はアメリカ留学の道に、弟は教師となり家に残ったものの、家族の知らぬ間にナクサライト(共産党の革命運動)の一員として革命の道を歩いていた。ロードアイランドの下宿屋に弟の死を告げる電報が届いたのは1971年。アメリカに来て三年経っていた。身重の妻を独り残し、弟は官憲の手により殺されていた。帰国した兄は弟の子を身ごもったガウリをアメリカに連れ帰り、自分の家族とする。やがて娘ベラが生まれるが、妻は頑なに心を開かず、育児より自分の研究を優先する。ある日、妻は娘を残し家を出、そのまま帰ることはなかった。スパシュはベラを男手一つで育て、困難もあったがベラは逞しく育つ。ベラが身ごもったのを知ったスパシュは今まで秘していた事実を告げるが…。

弟の愛した女を妻に迎える。インド的な家長制度の生き方に反旗を翻し、インドの家族と絶縁した状態で海洋学者として生きる。スパシュ 

愛していたウダヤンを失ってその兄の妻になりアメリカで生きることになる、インドで義理の父母関係に閉塞感があった。娘のベラが生まれてからも育児に悩スパシュの関係は本物の夫婦にはなれそうにない。カウリは哲学を学び学者として生きる道を選び、家族との関係を断つ。

ベラはインドで祖母の家でみた。実の父の写真・・・。母は何故去ったのか? 自然農業の季節動労者としてアメリカ各地を転々として生きる。 

インド移民の物語でありながら、アメリカの生活や仕事に溶け込むための苦労話ではない。インド現代史を取りこみながらの家族の物語。離婚であり、父子家庭。娘を捨てた母。故郷との関係を断ち切った生きをインド、カルカッタとアメリカロードアイランドの適地で繰り広げられる家族の波乱の物語。 今年一番の作品はこれで決まりのお勧め本

本のタイトル「低地」

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コルカタ

 
 
 
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