ひとつまみの塩のようなピアニッシモ | 笛吹きの備忘録

笛吹きの備忘録

おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!

シアタークリエです。

ここで、ヴォイサリオン19『スプーンの盾』を観てきました、というか…聴いてきました、かな?

ヴォイサリオンとは、VOICEとギリシャ神話に登場する天馬ARION(アレイオーン)を組み合わせた造語で、声によって、聴く者の想像力の翼がどこまでも高く羽ばたいていく!という意味が込められているそうです。
つまり、声優さんたちによる朗読劇なのね。
⤵️これはキャスト表の一部分です。
総勢51人の声優さんたちが四つの役を、日替わり、役替わりで演じます。
私、アニメファンではないので、ほぼ知らないお名前です…。
でもね、観劇した17日は、奇跡的に知ってる声優さんが出演!(だから17日を選んだのですが…)
マリー役の日高のり子さんは『タッチ』の朝倉南ちゃん、『トトロ』のさつきちゃんですよね。
タレーラン役の山寺宏一さんは、ドナルドダック! ジャムおじさん!野獣!
ナポレオン役の朴 璐美さんは、舞台『千と千尋の神隠し』で湯婆婆(夏木マリさんとダブルキャスト)を演じた方です。
残るカレーム役の梶裕貴さんを、私は知りませんでしたが、上記の三人を大先輩と呼んでましたから、きっと今、大人気の若手声優さんなのでしょうね…。

皆さん、台本を持って、スタンドマイクの前に立ち、声だけでそれぞれの役を表現します。
一応、それっぽい衣装は着けてましたよ♪ 朴ろみさんのナポレオンがオスカルチックで素敵でした~

ストーリーは、ナポレオン政権で外務大臣だったタレーランの美食外交を軸に、フランス料理のレジェンドであるシェフ・カレールの料理の力で、フランスが真の平和と独立を勝ち取るまでが語られます。
ちょうど、イスラエルとハマス停戦合意のニュースが流れた日でしたので、料理が外交のカギとなる物語が心に沁みました。
「私たちは同じ時代という名の食卓を共有する家族、これからも共に食卓を囲む努力を続けさせてほしい」
劇中でのタレーランの演説です。
良い台詞だわ…。
自分の功績や手腕ばかり言い立てる方とは大違いよね。

⤴️この本は、原作ではありませんが、歴史の裏にある、戦争と外交の危ういバランスと、それらを担った人物像が記されていて、面白いですよ


さて、朗読劇ですが、文芸作品の朗読のような情景描写はほとんどありません。ナレーターがいないのです。
物語は台詞だけで進みます。
おそらく架空の人物である、盲目のマリーを登場させて、彼女が聞いた音、感じた空気を語ることで、観客に状況を理解させるのが上手い! 脚本がよく出来てる!

⤴️ロビーに飾ってあったメニューです。
Appetizer 
 スタッフの真心食材をふんだんに使った冬のカルパッチョ
 Soup 
 ロングラン公演のエキスを煮詰めた 濃厚コンソメポタージュ 
 Main 
 65種のメインディッシュ~4色のソースを添えて~ 
 Dessert 
 お客様の拍手 温かいスープ仕立て 

だそうです。お洒落~🎵

でもね、このメニューには足りないものが!
劇伴が生演奏なのですよ。しかも舞台上での演奏で、そのアンサンブルが素晴らしかったーーー
ピアノ、チェロ、ヴァイオリン、フルートは色とりどりの野菜サラダ、そしてパーカッションはパン♪パン♪パン♪かな?

いやいや、音楽は、料理すべてを際立たせる調味料でした!

特にね、フルートの優しい音色がピアニッシモで奏でるロングトーンが効いてましたよ、ひとつまみの塩のように…。
フルーティストは森岡有裕子さんでした。(私の先生のお嬢さんなのです(((^_^;))
梶裕貴さんのXからお借りしました。