皮肉屋さんのナンセンス文学がバレエになった件 | 笛吹きの備忘録

笛吹きの備忘録

おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!

新国立劇場です。

水たまりの上に建ってます。(浅い池と表現すべきか…(((^_^;)
ボウフラ対策とか、ちゃんとしてるのよねぇ…などと下世話な心配をしつつの、新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』鑑賞です♪♪

ロビーには、プリンシパルたちの等身大パネルが飾られていて、
その横に同じポーズで立ち、ママに写真を撮ってもらうバレエ少女もいて、可愛かった~♪♪

さて、この『不思議の国のアリス』というナンセンス文学を、バレエでどのように表現するのでしょう…?
これもまた、かなり心配(?)ですよね。

それがね、よく出来てるのですよ。

例えばニヤニヤ笑いだけを残して消えるちしゃ猫は、顔のパーツがバラバラになるように作られたぬいぐるみを人海戦術で動かすのです。
人形を操る技術も、体の鍛練があればこそ!なのかしら…、スピーディに生き生きと動くちしゃ猫でした。

薬を飲んだアリスの体が大きくなったり、小さくなったりは、プロジェクトマッピングで、背景を拡大縮小するだけなのですが、豊かな表情と身体表現で、困った事態に陥っていることを観客に納得させます。

自分の涙の海で溺れそうになる場面も、幕を使って(歌舞伎でよくあるヤツね)、見事に表現してました。
※三つのイラストは、ルイス・キャロルの原作本にあるジョン・テニエルによる挿絵をお借りしてます。

そして、踊りがとっても自由なんです。何でもありバレエ♪♪♪ですね。

『不思議の国のアリス』は、意味のないエピソードの積み重ねで出来てる物語ですが、そこにアリスが「無実の罪で裁かれる恋しい人」を追いかけているという意味を持たせて、バレエは展開していきます。

そして、それが現代の恋人たちの…、というオチもあり、なるほど、そうきたか!とモヤモヤせずに劇場を出ることができました。

バレエを楽しんで、モヤモヤするのはイヤですもんね♪