国立劇場で『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』を観劇しました。

もちろん! あちらこちらのブログを訪ねて、予習怠りなく!
登場人物の相関図なんか書いてみたりしてね♪

ストーリーは、歌舞伎あるあるの、◯◯実は◯◯というのが、いくつも重なり合って展開します。
実は幽霊だった、実は昔の主君だった、実は夫が仇だった、実は天皇家の血をひいてた、実はわが子を手にかけてた、実は息子は生きてた、実は昔とてもお世話になってた、などなどてんこ盛り♪
こう記すと、ずいぶん荒唐無稽な舞台を想像しますが、魂を絞り出すような義太夫節を主軸に、ギリシャ悲劇みたいに荘厳な空間が創り出されていきます。
これぞ、国立劇場! 幕間に食べるラーメンもおいしい♪

ところで、熊谷陣屋の場では、舞台中央に出入りのための襖があります。

※写真は国立劇場HPからお借りしました。
こういう襖って、たいてい自動ドアなんですよ。
中央から出入りするのって、たいていお姫さまやお殿さまでしょう。だから裏に家臣がいて、サッと開け閉めしているという設定だと思うのですが、絶妙なタイミングでサッと開いて、ピシャリと閉まります。
それがね、橋之助さん演じる堤軍次(熊谷次郎直実の家来)の出入りのときは、手動ドアだったんですよ。
橋之介さん、お茶のお点前みたいにきれいな所作で襖に手をかけ、自分で開け閉めしてました。
堤軍次は、この陣屋のコンシェルジュっぽい役割なので、人が訪ねてくる度に登場してくるから、開け閉めの回数が多いのよ。
もしかして、これが橋之助さんの見せ場だった?