母が記憶の更新を怠っていた件 | 笛吹きの備忘録

笛吹きの備忘録

おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!

16日に、母と会いました。

ほぼ1年ぶりです。


前回(昨年の11月)は、こんな感じでした。
老人ホームに入居して、まだ数ヶ月のころで、毎日、家に帰りたいと言ってたそうです。
その理由が「お母ちゃんが待ってるから」で、どうやら自分の生家に帰りたかったようなのです。
母は末っ子で、親はもちろん兄姉も亡くなってますし、六甲にあった生家は、阪神淡路大震災で全壊してます…。
老人ホーム入居という、突然の環境の変化に、そういう現在までの記憶は脳の奥のほうにしまいこまれて、ものすごく若い頃の記憶だけで生きているみたいでした。

でも、私の顔を見ると、記憶の戸板返しみたいに、パタンと現在に戻って「遠いとこから、よう来てくれたねぇ」と、私が埼玉に住んでいることもちゃんと把握していましたよ。
1年前はね!

それがね、今回は違ったんです…。

面会の日程が決まったときに手紙を出して、持ってきてほしいものを書いてもらうために、返信用のハガキを同封しておきました。
その返事…、

ほしいものは『チョコレートのおかし』でした…、子どもか~ー〰️い!

もちろん、ちょっとずつ、いろんな種類のチョコ菓子を買って、持って行きましたよ♪

…で、ロビーで待っていたら、母はスタッフさんに車椅子を押してもらって、エレベーターから出てきました。
私の顔を見て、若干の戸惑い…。
そして…、
「リットちゃんに会えると思って降りてきたのに、知らん人がおった」と言うではありませぬか!

ショック!

母の手には、数日前に出した私の手紙が…。

たぶん母の記憶のなかにいる私は、若くて可愛い(ここ強調しときます)リットちゃん、それが、まさか、白髪のお婆さんになっているとは!!! ってことだったのでしょう。
泣きそうになりましたよ…。

しばらく話をしてるうちに、分かってきたような、まだ半信半疑のような、ビミョーな空気の30分間でした。

持っていったチョコ菓子を嬉しそうに開封して、「あんたも食べなさい、おいしいよ」と勧める口調は間違いなく母でしたが…。


古い機種だから、バージョンアップはもう無理なのかな…。