伝法を受ける話 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

野球選手が自分のチームや他のチームの先輩と一緒に自主トレを行ったりするように、噺家さんが他の一門の師匠にネタを付けてもらうことを「稽古をつけてもらいに行く」と言うが、お坊さん同士の間でも「伝法を受ける」という状況があったりする。

 

浄土宗や禅宗でもこの言葉を使うということだけれど、天台密教の場合、修行時に自分の師となる阿闍梨から伝法を受けて自己の密教修行を完成するのだが、その後、例えば自分がまだ伝法をけていない行法、「阿弥陀供」だとか「聖天供」などの特定の本尊に対する一尊法と呼ばれる行法を師匠に習いに行ったりする。

 

今は世間的に立派な地位にある弟子が急な法要で導師を務めることになって慌てて一尊法の伝法を受けに来た、日頃ご無沙汰しておいて勝手なもんじゃなどと長老のご僧侶の方が仰っておられるのを聞いたこともある。

 

同じ道を修する年長者に教えを乞えるのは、いいことだ。

 

 

                  おしまい。

 

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