先日、奇術についての記事を書かせて頂いた後、何人かの奇術家の方たちのブログを訪問させて頂いたら、僅かな人数ではあるがアクセスを返して下さった方たちがあって、私はとても喜んでいる。
子供の時に奇術師になりたいと思って奇術用品売り場に通ったりしたものの、私の奇術に関する情報はそこで止まっている。
ところが今回アクセスを返してくださった内のお一人がS師という奇術家の方で、この方はご自身の名前を冠したギミック(客に知らせない小道具)の考案者でもあるとのことだ。私はこの道具と同じ系統の古典的ギミックならいくつか知っていたけれど、その後そんな新しい道具が考案されたことなど露知らず、そして失礼ながら僭越にして、S師のお名前すらも全く聞いたことがなかった。
ちなみに今、私の手元にある奇術書は藤山新太郎氏の「タネも仕掛けもございません」と、最近購入したジョニー広瀬師の「奇術人生55年」を除けば昭和に発行されたものばかりで、どれも懐かしく時々手に取りはするものの、最近の情報を含んだ奇術本はたまに図書館で目にする程度だ。
そこで今回インターネットで検索してみたら、最近図書館で読んだはずのカズ・カタヤマ師の「図解ステージマジック入門」にS師のインタビューが載っているという。
慌てて図書館で確認すると、S師はジョニー広瀬師の知遇を受けたというので、これも迂闊と慌てて広瀬師のご著書を確認したら、ちゃんとS師のお名前が載っていた。また、上のインタビューには、私が小学生の時に繰り返し読んだ「奇術と手品の習い方」の著者である石川雅章氏の本をS師が若い頃に読んでいたという話も出て来て嬉しく思った。
さらに他の奇術家の方のサイトを見たところ、ジョニー広瀬師主催の奇術クラブにはS師を始め、私が小学生の頃に通っていた奇術売り場のディーラーの方も参加しておられて、大阪で行われたそのクラブの奇術大会を、自分が友達を誘って見に行っていたことに気が付いた。
その頃、お年玉を貯めてやっと買えた「ターベル・コース・イン・マジック」第1巻のカバーに「訳者と編集者からのひとこと」として「手品を覚え始めたころのあの胸のときめきをよみがえらせてくれるに違いありません」という言葉があったけれど、何十年も経ってから、その言葉通りの胸のときめきを、今、身体で感じている。
おしまい。
※「ホームページアジアのお坊さん本編」もご覧ください。
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