「戦後初の北嶺千日回峰行者 叡南祖賢大阿闍梨」のこと | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

これも「仏教タイムス」で見た「戦後初の北嶺千日回峰行者 叡南祖賢大阿闍梨」(善本社)という本を読もうと思ったのだが、特殊な本なので一般書店にはなかろうから、京都のとある仏教書専門店に電話してみたところ、何と博覧強記で知られるその店の主が、この本のことを知らなかった。

 

店主に本の説明をするのが却って失礼な気がして、それならばと電話を切り、本当は実店舗が好きなのだが、ついついインターネットで購入することと相成った。

 

読んでみたらとても面白い。お山(比叡山)の古い時代の、なかなか聞けないいろんなエピソードが満載で、僭越ながら私が小僧時代に老僧からお聞きした、行院、居士林、三年籠山制度、比叡山ドライブウェイの草創に関わる話なども出て来たりして、大いに楽しめた。

 

加行(けぎょう)中に地震があったので、つい私語をしてしまったら、お前たちは仏さまの怖さを知らん、加行をやめて山を下りろと祖賢師に言われた話や、お経を上げる時は経文に出て来る仏さまのお顔やお姿を観想しながら読経せよと言われた話など、日々の法務を修行とすべき教えに満ち溢れている。とても貴重な本だ。

 

 

              おしまい。

 

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