日本に縁のあるテーラワーダ仏教僧侶の話 2題 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

日本にテーラワーダ仏教を広めた立役者の一人であるスリランカ人僧侶・スマナサーラ師がNHK「スイッチインタビュー 小倉智昭×アルボムッレ・スマナサーラ」という番組に、そしてインドのナグプールで新仏教徒を指導している日本人僧・佐々井秀嶺師がTBS「世界ふしぎ発見 インド情熱革命ing」という番組に、それぞれ最近出演された。

 

このお二人の活動について云々することは、日本仏教界において色々とデリケートな部分もあり、私のようなスタスタ坊主の手には余るので、番組の感想を述べるという態で、さりげなくお茶を濁すことにする。

 

・その昔、真言宗の僧侶として得度した佐々井師は、その後、タイのワット・パクナム寺院でテーラワーダ比丘として修行し、さらにインドに渡られた。

私をワット・パクナムへ派遣して下さった横浜善光寺留学僧育英会の創立者である故・黒田武志老師と佐々井師はパクナム修行の同期だそうで、例えば育英会発行の「法燈の国際化をめざして」(1996年)には、黒田老師がインド仏跡巡礼の折にブッダガヤで佐々井師と再会し旧交を温めるシーンが出て来る。

私がタイでの修行後に、ブッダガヤの印度山日本寺駐在していた頃にも、佐々井師はよく諸問題解決に向けてブッダガヤを行進しておられたものだ。

この辺りのことは私の日本寺駐在同期のS和尚の方がお詳しいので、近々ブッダガヤのご法務へ出かけられる予定だというS和尚のご報告を待つことにしたい。

 

番組の感想:佐々井師はお元気そうなご様子で何よりです。

 

 

・一方のスマナサーラ師は、何と言っても先ほど述べたように日本にテーラワーダ仏教を広めた立役者の一人であることに間違いはなく、たくさんのご著書をお著しになる以前に日本テーラワーダ仏教協会から無料頒布されていた「ブッダの瞑想法はこんなに簡単です」という冊子は、簡にして要を得た名著であった。

ご著書を読む限り、その歯に衣着せぬ論調を攻撃的に感じる人もいるそうだけれど、書物で仰っているのと同じ論調であっても、あのお人柄と独特の日本語口調で語られると、むしろ飄々とした印象を与え、その効果は絶大だということをよく知らしめたという点で、このテレビ放送には大いに意味があったと思う。

 

番組の感想:最初その飄々としたスマナサーラ長老の論調に少し戸惑いを覚えていた小倉氏が、途中でハッと腑に落ちた表情に変わる場面があって、正に師の面目躍如といった所ではありました。

 

 

 

                おしまい。

 

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