一難あれば。 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

「一難去ってまた一難」という諺は、「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」などの言葉と違って、悪い時には悪いことがまた起こると言っている訳ではなく、人生には常に思い通りにならないことが引き続き生じることを表しているのだから、むしろ、仏教における諸行無常・一切皆苦の定理と軌を一にするものではなかろうか。

 

 

大きな問題や心の悩みから、日常生活の物理的な小さなトラブルや人間関係などに至るまでが全て苦(dukkha)なのだから、それは毎日、生じて当然だ。プラユキ・ナラテボー師が言う「よき縁となす」ではないけれど、それを縁としてまた先へ進み、心を調え苦を解消する作業が修行だと思えば、一難もまた一縁だと思う。

 

 

 

                             おしまい。

 

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