雨安居の三道宝階降下伝説について | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

徐福研究で知られる台湾・苗栗県にお住いの旧知の台湾人、彭雙松(ほうそうしょう)先生についての記事が、「世界日報」という「世界中の華僑が読む新聞」(先生の説明)のシンガポール版に、「台湾苗栗奇人奇事」というタイトルで掲載されたことがある。

 

 

先日、タイでその「世界日報」のタイ版を見かけたので、あ、彭先生の載っていた新聞だと思って買ってみたら、ちょうどタイ仏教の安居明けに関する、こんな記事が載っていた。

 

 

 

これはタイの南部スラタニで安居明け(タイ語でオーク・パンサー)の行事が行われたというニュースなのだが、その中に安居を意味する「解夏節」という文字や、いわゆる「三道宝階降下伝説」のことが出ていて興味深い。

 

この伝説は、第7年目の安居の年にブッダが天界に昇り、亡くなった母・摩耶夫人に説法したというもので、ブッダが3か月後に降下して来たとされる場所がインドの仏跡・サンカシャだ。

 

水野弘元博士の「釈尊の生涯」(春秋社)の安居場所の一覧表にも7年目の安居場所は全ての資料で「三十三天」と記されているが、一方、この著書の別の個所で、博士はこの伝説を「この物語は創作に過ぎないと思う」とも書いておられる。

 

この件に関してはインターネット上に「三道宝階降下について」という優れた論文があったので、以下にリンクを貼らせて頂くことにする。

 

※「三道宝階降下について」※

 

著者の岡本健資氏に篤く御礼申し上げます。

 

                                 合掌