台湾 智道法師の衣鉢 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

長年お参りさせて頂いていた台湾の苗栗県にある浄覚院という尼寺の開山住持であった智道法師が、今年の4月にご遷化されたのだが、訃報をお聞きしてから随分、日が経って、ようやくご挨拶に伺うことができた。
 
イメージ 1
 
 
 
智道法師は日本統治時代に教育を受けた方で、丁寧できれいな日本語をお話しになるのだが、旧知の台湾人・彭雙松(ほうそうしょう)先生の紹介で、10年前にこのお寺を初めてお参りしてから何年もの間、苗栗を訪れる度に日本語で仏教についてお話をして頂いていただけに、とても残念だ。
 
話は変わるが先日の訪台では、9年前に彭先生に案内して頂いた時には、まだ何体もの大きな仏像が並ぶだけの仮堂だった仏頂山朝聖寺というお寺に久し振りに連れて行って頂き、完成した巨大寺院を初めて拝した。
 
 
イメージ 2
 
 
 
 
以前、近くの九華山というお寺を参拝した後にここに立ち寄った時ははまだ仮堂だったが、すでに巨大な仏像が何体も据えられ、九華山のような規模に発展するのは必至だと思ったものだが、こうした寺院を見ていると、単に大きさが立派なだけでなく、台湾において仏教はまだまだ盛んで、今後もその仏教精神は、社会の中で育って行くのだろうと安心する。
 
さて、先に述べた浄覚院では、参拝の度に日本から持参した線香をお供えさせて頂いていたのだが、いつも智道法師はにこにこと福々しい笑顔で、それを受けて下さっていた。
 
今回、智道法師の遺骨が納められた納骨塔をお参りした後で、衣鉢を継がれた現任住持に同じ線香をお渡しして、お若いその尼僧様がやはり同じ福々しい笑顔で受け取って下さった時、智道法師なき後も、仏法は変わらず伝わって行くのだということを、身を持って如実に確信した。
 
 
 
ホームページ「アジアのお坊さん」本編も是非ご覧ください!!