寝袋を担いで托鉢行脚を気取り、あちこち巡礼して歩いたものだが、もちろん千日回峰行者の阿闍梨さん方みたいに、修行や歩行の訓練に関してしっかりした伝法を受けた訳でもなく、自己流で歩いているだけだから、たまには膝が痛くなったり、足を痛めたりする。
そうした無理が祟って足腰膝に支障を来たしたりは、まだしていないけれど、今の内にきっちりと肉体的な鍛錬をして身体を整えて置いた方が将来のためだと思うという話を人にしたら、ご存知でしょうけれど、歩く時は踵から足を地に着けるべきですと言われた。
そう言われてみたら、お坊さんになってから、裸足の時は足音を立てないために、雪駄の時は鼻緒があるからという理由で、常につま先で歩いていることに気が付いた。踵から歩いてみたら、確かに膝が楽だ。
坐禅の経行(きんひん)や、テーラワーダ仏教における歩くヴィパッサナ瞑想の時の、踵・つま先についての決まりについて改めて考えてみると、天台宗では経行そのものに大した決まりがなく、禅宗の経行では足の半分、即ちつま先分ずつ足を進めるが、「つま先で歩く」訳ではない。
ヴィパッサナの歩行瞑想の場合、「左足」「進めている」「地に着いている」という風に言葉でラベリングを行ったとしても、「つま先」や「踵」といった言語化は、特に勧められてはいない。
それはそれとして、普段、普通に歩く時、もちろん雪駄を履いている時も含めて、常に踵から歩く癖を付けてみたらどうだろう。足の健康も維持できて、なおかつ気づきの練習にもなるのではないかと思い、目下、毎日実験中。
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