十善戒の再確認 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

お坊さんも、在家の仏教徒の方も、共に実践できる徳目として、十善戒は大事だなあと、近頃、ますます再確認している。出家・在家に共通な上、大乗仏教・上座部仏教のどちらおいても、重要視されているのが、十の悪を戒める、この十善戒だ。


 不殺生…殺さない。
 不偸盗…盗まない。
 不邪淫…配偶者以外と男女関係を持たない。
 不妄語…嘘をつかない。
 不悪口…汚い言葉、悪い言葉を口にしない。
 不両舌…悪口、陰口を言わない。
 不綺語…冗談を言わない、ふざけない。
 不貪欲…欲を持たない。
 不瞋恚…怒らない。
 不邪見…迷いを持たない。


まぎらわしいけれど、不悪口戒(ふあっくかい)とは罵詈雑言するな、汚い言葉を使うな、という意味で、不両舌(ふりょうぜつ)戒は、他人に対する対する「悪口(わるぐち)」を言うな、という意味だ。

邪見は正見の反対で、迷いや愚かさを指す「愚痴」のこと。「愚痴を言う」という現代語の基で、いらいら、うじうじ、めそめそ、そわそわ、どきどきといった、欲と怒り以外の一切の悪感情を含むが、これらを離れようと努力すれば、自然に心が浄まる。

毎日の、ごく普通の日常生活の中に、これらの煩悩は満ち満ちている。自分のこの感情は、この行いは、十悪の内のどれに当たるのだろうかと、常に自分自身の心の動きを省みていることで、だんだん心が浄まっていくのが実感できる。


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