江戸川乱歩作品を読んでいると、「知恵くらべ」ということが、よくテーマとして出て来ます。端的には、少年ものに頻出する「知恵と知恵、火花をちらす一騎うちの大闘争の物語です」(怪人二十面相)とか、「こんどこそ、死に物ぐるいの知恵くらべです。一騎うちです」(少年探偵団)といった表現に、それは現れていますが、初期短編の「二銭銅貨」「指環」「盗難」、通俗長編の「黒蜥蜴」「影男」なども、みなある種の知恵比べや知的ゲームがテーマです。
また、「隠し方のトリック」という随筆には、貧窮時代、下宿で同居の友人と、小さな物を部屋のどこかに隠して探し合う遊びをした話が記されていることからも、「知恵比べ」というものに、乱歩がスリルを覚えていたことが、よく分かります。
さて、世間一般の「知恵」と、仏教における「智慧」は違う、ということが、仏教書などにはよく書かれていますね?
この世には、困った人や困った状況というものが、いっぱいあります。単なる世間的な頓知や知恵比べではなく、「智慧」で1個ずつ、それらに対処する方法が身に付いたなら、「苦」に対峙することさえ、楽しい作業かも知れません。

おしまい。
も是非ご覧ください!!
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※画像は京都一休寺で求めた絵葉書の写真です。