江戸川乱歩はデビューして何年か後、書けなくなって休筆し、放浪の旅に出たことがあるが、探偵趣味や放浪癖があったとしても、条件が揃わなければ、なかなか実際に放浪の旅には出られないだろう。乱歩には印税もあり、また妻に下宿を経営させての放浪ではあったが、家族がいるのに放浪できるなんて、大したものだ。
乱歩の創造した明智小五郎が、「風来坊」と描写されている文章があったと思うが、記憶違いなのか、見付からない。
ちなみに明智がインドや中国を放浪後、日本に帰った直後に手がけた「魔術師」事件の中で、自分のことを「一文無しの浪人者」と卑下しているシーンがある。
ちなみに、創元推理文庫と講談社推理文庫では「一文無しの浪人者」、春陽文庫と光文社文庫では「素寒貧(すかんぴん)の浪人者」とある。初出誌やその後の単行本全集版に当たると、どこから表現が変わったか分かるのだと思うが、今ちょっとその暇がない。
明智がその後、探偵事務所を構え、立派な社会人となって何年も経ってからの「悪魔の紋章」事件の中でも、明智は天才肌で飄々として捉えどころがなく、気が向けばインドでも中国でもぶらりと出かけてしまうと描写されているのを見ると、これは乱歩が終始、放浪に憧れていた証しなのではなかろうかと思う。
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