
物事を継承する、という意味の「衣鉢を継ぐ」という言葉が、弟子が師匠から三衣一鉢(さんねいっぱつ)を受け継ぐ仏教用語に由来するということを、少し前に書きました。
テーラワーダ仏教では、今も黄衣と托鉢用の鉢が、比丘(僧侶)の基本的な持ち物であること、得度式でその重要性が訓戒されること、日本でも三衣一鉢の重要性は象徴的な意味合いも含めて、例えば天台宗などにも受け継がれていることなどの他に、もしかしたら禅宗などでは今も「衣鉢」ということを大事にしているかも知れないから、今度、禅僧の方に会ったら話を聞いてみよう、などと書かせて頂いたのですが…
…本当に機会があったので、聞いてみました。そうしたら、禅宗では、今でも「衣鉢を継ぐ」という言葉を使うし、師僧から衣と鉢を譲り受けるということが、しばしばあるのだということです。
法衣を師匠やその他の方から頂く、ということは、もちろん他宗でも間々、ありますが、禅宗の場合は、本当に鉢(応量器)と一緒に衣を譲り受け、なおかつそこに、仏法を付与する、法を伝える、という意味も確かに込めています、とのことでした。
という訳で、間違いなく文字通り、「衣鉢を継ぐ」という言葉の本来の意味が、禅宗にはそのまま残っているということが、あっけなく判明致しました。仏教用語が転じて使われるようになった日本語の「衣鉢を継ぐ」ですが、元々、仏教の中の、禅から出た言葉なのは、多分、間違いなさそうです。
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