坊主コレクション序説 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

「坊主コレクション序説」と言っても、イベント好きのお坊さんたちが主催されている珍妙な企画とも、澁澤龍彦の「少女コレクション序説」とも、この話は一切関係ない。

私はお坊さんが好きで在家からお坊さんになったので、今でもお坊さんに会うのが好きだ。だから、例えば他の宗派のお坊さんとお会いした時などに、他宗派の方は、こんな時にどうするのか、これをどのように考えるかといったことを、聞いてみたりするのも好きだ。

先日は他宗ではなく、同じ天台宗のお坊さんで、初めてお会いする方と、珍しくお話する機会があって、宗派内のエピソード、法儀についての疑問点など、実のあるお話を、色々と聞かせて頂くことが出来た。

話は変わるが、書生時代の明智小五郎は、デビュー作「D坂の殺人事件」の中で、「僕は人間を研究しているんですよ」と言うのだが、この有名な台詞には、どこか人間というものを小馬鹿にしたような気配がなくもない。
 
現に「屋根裏の散歩者」にも、「明智の方は、(犯人のことを)単なる研究材料として興味を持っただけかも知れませんが」という描写があるように。

さて、また別の作品で、明智はまるで魔法使いのように聞きたいことだけを聞き出して、いつかまた相手が気づかない内に、何でもない世間話に会話を戻して行く、「それはまあ、なんと不思議な話術であったか」と描写されるほどの技量は私にはないけれど、私も先日のお坊さんから、聞きたいことだけをたっぷりお聞きして、何気ない歓談の後に、機嫌よくお別れのご挨拶をしたことではあった。

というわけで、私のお坊さんコレクション、並びにお坊さん研究は、決してお坊さんたちへの批判や揶揄ではなくて、あくまでも僧侶としての切磋琢磨のためですから、どうか皆さま、悪しからず。
 
 
               
イメージ 1
 
 
ホームページ「アジアのお坊さん」本編も是非ご覧ください!!

※お知らせ※
タイの高僧プッタタート比丘の著作の
三橋ヴィプラティッサ比丘による日本語訳CD、
アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、
並びに仏教の要諦の解説書「仏教人生読本」を入手ご希望の方は
タイ プッタタート比丘 「仏教人生読本」「観息正念」改訂CDーR版 頒布のお知らせをご参照下さい。