アジアで空想した日本食 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 タイやインドで修行中に、食事が合わなくて苦しむことはなかったが、かと言って、現地の食事が食べられない人を馬鹿にするつもりもなかった。
 
 現地の食事を食べられない人を笑うバックパッカーもいれば、反対に日本食以外の食べ物を食べたがらない現地駐在ビジネスマンもいるが、「遣唐使 後は茶漬けを 食いたがり」という川柳があるくらいで、それは嗜好や体質の問題だから、あれこれ言い争うほどのこともない。
 
 ただ、お坊さんが海外で修行しながら、高い日本食材を調達することに汲々としているなら、それは贅沢や執着だと思うけれど。
 
 さて、私の場合、アジアで日本食を渇望したことはないが、食事をする時に、食の由来や食べ物について、あれこれ考えることは多かった。こんな商品があったらいいのになと空想したのが、例えば以下のような品々。
 
・胡麻油や、有機卵や、上等な酢を使った、栄養価の高いマヨネーズ。商品名は「麻油濃酢」。
 
・身体に良いたくさんの種類の野菜を使った、グレードの高いミックスベジタブルの「これだけでベジタブル」。
 
・三大栄養素やミネラル、滋養も完璧で、それをご飯にかけるだけで一食分の栄養が摂れる「パーフェクトふりかけ」。
 
・味もおいしく、栄養のバランスも良く、塩分も多すぎず、化学調味料も使わず、値段も他のインスタントラーメンより高くない「ラスト・ベスト・パスタ」などなど。
 
 あれから年数が経ち、日本では実際にいろんな良い食品が販売されるようになったが、とりあえず、食事をする時に、こんなことばかり考えていた訳だから、思考の方向性が違うだけで、自分も食に対する執着が、全然、抑えられていなかったんだなあと、今、改めて思う。
 
 
 
※お知らせ※
タイの高僧プッタタート比丘の著作の
三橋ヴィプラティッサ比丘による日本語訳である、
アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、
並びに仏教の要諦の解説書「仏教人生読本」それぞれのPDF版を、
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