先月、2014年2月にはアラブ首長国連邦で、ムスリムが火星に行くことを禁じるファトワ(宗教見解)が出されたというニュースも報じられた。「大義なき死」を禁じるイスラム教において、生存の可能性が低い火星行きを選択することは、教義に反するからだそうだ。宗教的見解を、現代社会、未来社会に当てはめて考えてみるという姿勢は、私などには甚だ興味深い。
マレーシアでは、2008年の11月頃にも、ヨガを禁じる国家ファトワが出されたことがある。ヨガがヒンドゥー教の教義に基づいているからなのだそうだが、私も日本のお寺でヨガを教えている所などを見ると、ヨガの考え方と、仏教の見解および仏教の坐禅瞑想には、大きな隔たりがあるのにと思う方だから、これも興味あるニュースではあった。
さて、イスラム教の教義やファトワに関しては、色々とデリケートな問題もあるので、全く違う方向へと話を逸らすことにするが、冒頭のニュースに関して、「ウルトラマン画報」(竹書房)という本でウルトラマンキングの画像を見てみたら、手にキングハンマーという、打出の小槌らしきものを持っている写真が載っていた。
そこで今度は「伝奇伝説大辞典」(角川書店)の「打出の小槌」の項を見てみると、一寸法師説話によって人口に膾炙したこの道具は、既に中世以降、常に鬼の持ち物として描かれているそうだ。
人間界のものではない異界のアイテムという点で、伝説の超人ウルトラマンキングが持つにふさわしい道具であるとも言えるが、一寸法師以降には大黒天の持ち物ともされ、鼠浄土を始めとする様々な昔話や伝説にも、福徳を表す道具として登場するようになったんだとか。
そもそも大黒天が、本来、インドでは憤怒神であったことを思うと、鬼=小槌=大黒天に、何らかの繋がりは有りはしないか、今度、一度、詳しく調べてみようと思う。
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