お坊さんが、お経の最中に眉毛を掻いても良いですか? | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 さて、タイのお話が続いたので、まだまだ書きたいことはあるのだが、閑話休題ということで、今日はちょっと別の話を。
 
 お坊さんというのは、お参りの方たちに背中を向けてお経を上げるから、表情を見られることはない代わりに、自分の気づかないところで、いつも後ろから所作を見られている訳だ。例えば、お参りの最中に、お坊さんが無意識にぼりぼりと頭を掻いていて、後で苦情を受けるといったことが、実際にないわけではない。
 
 以前、テレビのニュースで、上方落語ではないのだが、アマチュア落語家の方のお顔がアップで映っていたことがある。アマチュア落語家、というのは、ただの素人の方ではなく、大学中退が正式な経歴として扱われるように、一つのジャンルや肩書きではあるから、その方も、プロの噺家さんに、創作落語を提供したりと、色々な活動をされているらしい。
 
 しかし、その方、テレビに映っているのにも関わらず、眉毛がかゆいのか、やたら眉毛を掻くのだ。ああ、やっぱり、この方はプロではないなと、失礼ながら、その時、思った。
 
 で、お坊さんも、一生懸命、後ろでお参りしている人たちに、何だ、お坊さん、顔を掻いてるじゃないか、気の入っていないことだ、などと思われないように気をつけなければ、と思ったものだから、それが自分を縛ってしまって、もういけない。
 
 かゆい、掻けない、掻きたい、このくらいだっらさり気なく、いや、それではあのアマチュア落語家さんのことは言えない、いやいや、それとこれとは状況が違う、ああ、眉毛がかゆい、さあ、どうしよう? などと葛藤する今日この頃。何をやっていることやら。
 
                                    おしまい。                                            
 
    
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