「はーい」と返事をする人は、どうかなあ? | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

 「うん、うん」と返事をする人はいやだなあという話を、ずいぶん前に書きました。
 
 お偉いさんが、明らかに目下だと信じ込んでいる者に対して、例えば政治家が記者に向かって、「うん、うん」と返事をする、それももちろん偉そうだし、一般の方が男性でも女性でも、相手に対して、「うん、うん」と言いながら、例えばお店のスタッフなどに対して返事している光景なども、よく見かけます。
 
 私はあなたより目上です、あなたより年上です、あなたより経験があって、よく物が分かっていますという気持ちが、意識しているかどうかは別として、必ず辺りに漂っています。一見、親密に、やわらかく、優しく応対しているように見えますが、やっぱり「うん、うん」は、良い返事ではないと思います。
 
 同様の理由で、「はーい」という返事、女性に限らず、男性でもこに返事の仕方をする方がありますが、やはり正しい大人が、初対面の人に対してすべき返事だとは思えません。
 
 と思っていたら、先日、自分が「はーい」と返事をしていることに気づいて、あ、時と場合によっては、やわらかく言葉を返すための一手段として、「はーい」は有りなのかなと、自問している最中です。
 
 子どもの時に、「ハイハイと返事をするな! ハイは一回でいい!」とお馴染みの叱られ方をされたことのある人は多いと思いますが、これも大人になると、時と場合によって、相手の心をやわらげながら喋るために、「はいはい」と返事をするのも方便です。
 
 でも頑として、「うん、うん」はいけません。この世から、「うん、うん」という返事がなくなることを、心ひそかに祈っています。
 
                                 おしまい。
 
 
 
 
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