リトル・ブッダの「噂」 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 メディアによく登場する有名なお坊さま二人が、仏教と映画について対談する「仏教シネマ」という本が、2011年に出版されています。
 
 その本の中で片方のお坊さまが、ベルナルド・ベルトリッチ監督の映画「リトル・ブッダ」について、ざっとこんな意味の発言をされています。
 
 「タイのお坊さんは戒律で映画を観てはいけないことになっているのに、さすがにこの映画は話題だったらしく、ある町の映画館を貸切にして観た、という噂を聞きました(笑)。どんな感想だったのかな。」
 
 ところで、その何年も前に私が「ホームページ アジアのお坊さん 本編」「アジアのお坊さん映画」の中で「リトル・ブッダ」について書かせて頂いたのが、以下の文章です。
 
 
ちなみに筆者がタイで修行していた1994年当時、タイでは「リトル・ブッダ」が上映されていた。この映画の本来の宣伝用スチールは、小豆色の衣を着たラマ僧に主人公の少年が囲まれているのだが、バンコクで見かけた映画館の絵看板ではオレンジ色の衣を着た上座部僧に囲まれた絵柄に変えられていたのがおかしかった。
 
タイのお坊さんには映画を見てはいけないという戒律があるのだが、ある町では貸切にした映画館に僧侶を集めて「リトル・ブッダ」を上映したという話も聞いた。この映画はチベット仏教をテーマにしてはいるが、キアヌ・リーブス演じるブッダの伝記が挿入されていたために、タイのお坊さんの間でも話題になっていたようだ。
 
 
 で、別にこの程度の情報について、一言でも断って下さればとか、いちいち目くじらを立てている訳では、決してございません。えらいお坊さま方が、インターネットで検索中に、拙文を参考にして下さったのだとすれば、むしろ私にとっては光栄なくらいです。
 
 ただ、確実に自信を持って言えるのですが、こんなマイナーで特殊な「噂」、たとえどんなに情報通のお坊さまであっても、絶対によそで耳にされることはあり得ないと思います。
 
 という訳で、ほんまは読んだんでしょ、「アジアのお坊さん」? (笑)
 
                               おしまい。
 
 
 
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