法蔵館から出ている「アジアの仏教と神々」(2012年刊)という本は、同じ法蔵館の好著「挑戦する仏教 アジア各国の歴史といま」(2010年刊)の、姉妹編といった内容だ。
前にも書いたが、TV番組を基にした「NHKスペシャル ブッダ 大いなる旅路」全3巻(NHK出版・1998年発行)という書籍は、1990年代後半頃のアジア各国における仏教事情を伝える良書ではあったが、その後、10年以上を経て、アジア各国の仏教事情も変わったし、日本における研究も進んだ。
「挑戦する仏教」は、そうした最新の情報や研究を踏まえているので、現在のアジア仏教に興味がある人なら、是非読んでおくべき書物だが、「アジアの仏教と神々」は、同じように各国の様々な仏教事情を教えてくれる本ではあるが、より専門的、と言っても、より高度という意味ではなく、より的を絞った内容だ。
編者の立川武蔵氏が人類学的な手法を重視したと言うとおり、各仏教国の神祇崇拝や土着信仰と仏教との関わりを掘り下げているので、アジア仏教各国の信仰世界を、さらに深く見極めたい方にはお勧めだ。
それにしても、「NHKスペシャル ブッダ 大いなる旅路」、「挑戦する仏教」、「アジアの仏教と神々」という順番で読み進めていくと、執筆者の方たちの顔ぶれが、微妙にかぶりつつ、世代交代して来ているのが分かる。
この方面では重鎮と言っていい研究者の方たちの中に、徐々に1950年代生まれの中堅どころの皆さんが混じって来て、さらに1960年代、70年代生まれの若い研究者の方たちの執筆が、段々と目立つようになって来ている。
一方で、アジア各国の瞑想についても、これは主に学術的な研究者の方たちとは別の立場に位置する皆さんによって、瞑想修行の実践方法に関するものだけではなく、近現代のテーラワーダ系瞑想指導の歴史や、瞑想指導者である比丘やお坊さんたちの相関関係についてなどの、詳しい研究も増えて来た。
ここ10年の時代の変化が、本当に感慨深い。
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