坊主小咄…2013年5月5日にちなんで | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 仏像マニアとしても知られるみうらじゅん氏が、ある本の中で、「おまえのやりかた空海だよ」とか、「それ法然じゃん」などと仏教界を例えに使って喋れたらいいのに、みたいなことを書いておられるのですが、言われてみれば、私はお坊さんなので、普段、そんなことばっかり、日常会話の中で口にしています。
 
 たとえば、他の会社で技術を学ばせようと研修に出した社員が、そのまま手に職を付けて、相手の会社の社員になってしまったという話を聞いて、ちょうど最澄さんが密教を学ばせるために、弟子の泰範さんを空海さんの所に学ばせに預けたら、泰範さんがそのまま帰って来ずに、空海さんのお弟子になってしまったようなものですねと答えてしまったり。
 
 他にも、大ベテランの方と若い方が、同時に大きな栄えある賞を貰うことになった時、最初に若い方の所に話が行って、いいえ、大ベテランの先輩を差し置いて、私だけがそんな賞を頂けません、二人同時受賞なら、ということになったんではなかろうかと世間の方が仰っているのを聞いて、ああ、ちょうど「慈覚大師」という、日本最初の大師号を円仁さんが貰うことになった時、ご自分の師匠でもある亡くなった最澄さんにも同時に大師号を頂けるのならと仰られたのと同じことですねと、ついつい口にしてしまいました。
 
 世間の他のお坊さん方も、普段、こんなことばっかり言って暮らしておられるのかどうかは、保証の限りではございませんが…。
 
                                 おしまい。
 
 
 
 
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