日本の町中で、一般人の方が、持っていても大して意味がなさそうな、たくさんの荷物を持って歩いているのを見かけると、心の中の余計事が、形に表れているような気がしてしまう。
余計なお世話だ、失礼な、と思われるかも知れないが、自分がお坊さんになる前は、余計な物を鞄に入れて持ち歩く方だったからこそ、その深層心理がよく分かるのだ。
で、お坊さんになって、例えばタイのお寺で修行するために空港に降りた時、作務衣に小さなリュックサック一つといういでたちだったので、現地の人たちに、荷物、少ないですねと言われて、とても嬉しかった。
そう言えば、インドのブッダガヤ日本寺を離山する時も、やっぱり私は作務衣にリュックで、見送ってくれたインド人スタッフたちに、センセイ、荷物、それだけ? と言われ、「サドゥー・コ・クッチュ・サーマーン・ナヒン・チャヒエ(お坊さんだから荷物は要りません)」と答えたら、みんなが笑った、それも懐かしい思い出だ。
袈裟と托鉢用の鉢だけの三衣一鉢、もしくはそれを含む比丘六物だけが、お坊さんに許された持ち物だったのだが、大乗仏教では比丘十八物と、所有物が増えたように、現代に至るまで、時代に従って、必要な持ち物が増えるのは仕方ないけれど、それでもお坊さんにとって、必要最低限以外の余計な物を持たないようにと心がける精神は、とても大事だ。
荷物を少なめ少なめと、気張りすぎて自慢になったり、捉われになったりしない程度に、普通に自然に少ない荷物で動けたらと思う。

※写真は「南都名所図会」より、普通の杖と風呂敷包みで歩く旅のお坊さん。
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