花祭りとウェーサーカ祭…2013年版 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

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 大乗仏教ではブッダすなわちお釈迦さまの誕生日は4月8日とされていて、日本語では灌仏会、誕生会、仏誕会、降誕会、花まつりなどと、いろんな呼び方がある。
 
 日本と台湾は新暦で仏誕会を祝うが、韓国や中国では旧暦で祝う。今年は5月17日が、韓国や中国の仏誕節だ。
 
 インドや東南アジアでは、インド暦のウェーサカ月の満月の日がブッダの誕生日とされていて、インドではブッダ・ジャヤンティもしくはブッダ・プルニマ、タイではワン・ウィサーカ・ブーチャーなどと呼ぶ。今年は太陽暦の5月24日が、ウェーサカの祭だ。
 
 インド暦のウェーサカ祭と旧暦の4月8日は、毎年ほぼ1週間ほどのずれしかなく、どちらも本来、同じ日を指している訳だから、少なくとも、ブッダの誕生日に関しては、南方仏教も中国系の大乗仏教も、同じ日を祝っていることになる。
 
 新暦、旧暦、インド暦のずれを補うべく、最近、日本のお寺では、月遅れの5月8日に仏誕会を行ったり、4月8日から5月8日までとか、4月から5月のウェーサカ祭にかけてを、花祭り月間、ウェーサカ月間として祝っておられるところも増えているそうだ。

 何はともあれ、岩波文庫版の中村元訳「ブッダのことば スッタニパータ」149頁にも見えるブッダ誕生直後のアシタ仙人の話、ブッダが悟りを開く頃に自分はもうこの世にいないと思って、仙人が涙を流したというあの話や、帝釈天インドラと三十三天の神々が、阿修羅たちとの戦いに勝利した時よりも歓喜に打ち震えているのは、人間世界にブッダが生まれたことを喜んでいるからだという流麗な描写は、ブッダ生誕時の感動を今に伝えるようで、とても美しい。
 
 
※「ウェーサカ」の日本語表記は、「ウェーサーカ」が主流みたいなので、タイトルだけ「ウェーサーカ」としてみました…。

 
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