火のついた炭を食べるインド人 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 史上最も有名な奇術師である脱出王フーディニは、最愛の母を亡くした後、母の霊と交信したいと思って降霊術にのめり込んだが、いかんせん、優れた奇術師であるフーディニに見破れないイカサマなど一つもなくて、失望するばかりであったとか。
 
 子どもの頃、ご他聞に洩れず、私の通っていた小学校にも学校の怪談なるものが色々あって、音楽室のベートーベンの絵の目が動いたとか、みんなは騒いでいたのだけれど、奇術や推理小説が大好きだった自分は、何とかその噂を合理的に解決してみたいと考えたものだ。
 
 そこで、怖い話、というものには根も葉もなくて、噂が噂を呼んでいるだけではないかと想像し、友人と協力して嘘の怪談話を捏造して、噂を流してみたのだけれど、多分、小学生の私たちには創作力も噂を流す演技力も不足していたのだろう、噂は一向に広まらなかった。ただ、その考え方自体は間違いではなかったと、今でも思うけれど。
 
 さて、先日、燃える炭を食べるインド人の映像がテレビで流れたそうで、すごいと思いませんかと知人に言われたのだが、私が子どもの頃に読んだ古い奇術の本には、火のついた炭を危険なく食べる方法が、しっかりと載っていた。危険術、降霊術、スプーン曲げを始めとする超能力的な奇現象などは、すべてトリックを知っていれば、合理的な方法で実演可能だ。
 
 ニセ宗教やイカサマ霊媒師に騙されないために、宗教家もトリックの知識を持っているべきだとは言わないし、そんな必要もさらさらないが、あらかじめ方法を知っている場合に、そのからくりを見破ることは、いともたやすい。
 
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