経本を床の上に直接、置いてはいけない理由は何ですか? | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 お坊さんになってすぐの頃、小僧修行をさせて頂いたお寺で、輪袈裟や経本をじかに床に置かないようにと躾けられました。

 お参りの人たちがみんなで経本を手にして、一緒に勤行に参加するお寺で、畳に経本を置いた人に、係の寺務員さんが、「お導師さまがお叱りになりますよ」と言って、注意しているのを見たことがあります。

 経本を床に置いている人に注意するのに、何と言えば適切でしょうか? 私が小僧の時に教わったように、袈裟や経本は仏さまそのものだと思って、大事にするものだから、地べたに置かないようにと、直接的に教えるべきでしょうか?

 私の知っている娘さんが、娘さんと言っても、まだ子どもみたいな方なのですが、お母さんと一緒にお寺参りに行って、お母さんが畳に直接、お経の本を置いたのを、注意したそうです。

 どうしてじかに置いてはいけないの? と訝るお母さんに対してその娘さんは、三蔵法師が灼熱の砂漠の中、どんな思いをして、お経を肩に担いで持って帰って来たと思ってるの? と、問い返したのだということです。


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