今回、インドのヒジュラのことを書こうと思ったのは、他でもない。
先日、タイのカトゥーイについて書いた時、カトゥーイのことを「オカマ」と表現するのはどうかと思い、知らない人のために日本語訳として、ひらがなで「おかま」と1ヶ所表記しただけで、後は「カトゥーイ」で通してみたのだが、「カトゥーイ」というカタカナ表現が連続すると、何だかこれが特別な専門用語であるかのように見えなくもない。
誤解と反論を恐れず言わせて頂くと、カトゥーイはタイの日常社会に溶け込んだ自然な存在であるのに対し、インドのヒジュラは本来は生物学的な半陰陽を指し、文化的・社会的にも特別視される存在だ。
さて、お話変わって、インドで物乞いに出会った時に、何がしかの施しをするか、全くしないか、或いはまた別の違った対処をするかというのは人それぞれだろうし、その時の状況にもよるのだろうけれど、わりと最近にインドでヒジュラの集団に物乞いされて、本当にその時は適切な程度の小銭がなくて断ったら、えらい剣幕で楯突かれた。
この前、「ヒジュラに会う」(大谷幸三著・ちくま文庫)という本を読み直していたら、彼らは普通の乞食と違って絶対に諦めない、口汚く罵って、いつまでも騒ぎ立てるから、そうならない内に、さっさと金を渡して追い払うんだという、インド人の言葉が紹介されていて、何だ、ちゃんとここに書いてあったのにと思ったから、こうして書いてみたまでで…。
おしまい。