アジアの見返り仏像…京都、タイ、ミャンマー | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

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 スコタイ美術を代表する、遊行仏(ゆぎょうぶつ)と呼ばれるタイの仏像は、片足の踵を上げた感じで優雅に歩くお姿で、スコタイ様式とは言うものの、スコタイまで行かなくても、バンコク周辺のお寺でも、たくさん目にすることができるスタイルだ。

 タイ語では、プラ・リラーなどとも言うのだが、その優美なお姿が日本人にも珍しいのか、タイの遊行仏が大好きだと、サイトやブログに書いておられる日本人の方も、結構多くいたりする。

 さて、変わった姿勢をされている仏像と言えば、日本では、京都・永観堂の「みかえり阿弥陀」が有名だ。東南アジアと違って、寝姿である臥像の仏像すら少ない日本の仏像の中で、左に首を向けたみかえり阿弥陀さんのお姿は、とても印象的だ。

 じゃあ、他には? と言うとミャンマーには、シン・ウパゴゥ尊者の像がある。写真はタイのメー・ソートと隣り合う国境の町、ミャンマーのミヤワディのお寺におられたシン・ウパゴゥ尊者だ。

 「ビルマ仏教」(池田正隆著・法蔵館)という本によれば、シン・ウパゴゥ尊者は海中の宮殿に住んでいて、午後に食事を取ってはいけないという戒律を破らないよう、常に太陽の位置を確かめるべく、海面を見上げているために、首をひねっておられるんだとか。

 いずれにしてもそれぞれに、尊いお姿ではあることだ。ああ、南無三宝。