ブッダガヤのチベッタン・レストランで、タイ人のお坊さんと一緒にパンケーキを食べた話 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 ブッダガヤの大塔での法要が長引いて、食事の供養がなかったにも関わらず、お昼の12時を過ぎてしまったことがあって、新タイ寺の若い駐在主任のお坊さんと一緒に、近くのチベッタン・レストランに立ち寄ることになりました。

 旅行者にもおなじみの大きなタイ式建築の本堂が建つタイ寺とはまた別に、タマユット派の新タイ寺が当時は出来たばかりでした。戒律を厳格に守るタマユット派のお坊さんが正午過ぎに食事を取っても大丈夫かと私が聞くと、外国にいる時には臨機応変に対応していると、そのタイ人のお坊さんが答えました。

 新タイ寺に寄宿している若いインド人比丘も交えて3人で、パンケーキを注文しました。甘いもの好きなタイ人らしく、タイのお坊さんはバターとハチミツをたっぷりかけて、おいしそうにパンケーキを食べています。

 インド人比丘は英語とヒンディー語のみ、タイ僧は英語とタイ語のみ、私はと言うと、英語とタイ語とヒンディー語、と言っても私の場合はどれもカタコトなのですが、それでもタイ人のお坊さんは、異国でタイ語を話す外国人と出会えて、とても嬉しそうでした。

 あなたはタイやインドに長くいて、日本が恋しくないのですかと、まだブッダガヤに来て間のなかったタイのお坊さんが私に聞くので、私はアジアが好きなので、今は楽しくてたまらないと、衒いでも自慢でもなく正直に答えると、タイ人が、自分はブッダガヤに来た当初、、タイのお寺や家族のことが懐かしくて寂しくて、しょうがなかったと笑います。

 海外で出会う外国人のお坊さんたちは、日本人と違って軽々と外国で暮らし、現地になじんで気負わず自然に修行しているなあといつも思っていたものですから、異国で修行する他の国のお坊さんたちにも、やっぱりいろいろな思いがあるんだなあと印象的で、日本でパンケーキを食べるたびに、優しそうなタイ人のお坊さんの顔を、今でも思い出したりいたします。
                          
                                    おしまい。


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