ビハーラとホスピス…仏教的終末医療の呼び名について | アジアのお坊さん 番外編

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 今回のお話は声高な既成仏教批判ではなく、小声の世間話なのだが、終末医療施設を指すホスピスという言葉にはキリスト教的な響きがあるということで、仏教的終末医療施設をビハーラと呼ぶ傾向がある。

 でもホスピスという言葉なら、本来は教会付属の巡礼宿のことだから、施療院的な意味合いがなくもないが、ビハーラという言葉は僧院のことだから、ニュアンスがちょっと違わないかと思う。

 でもこの言葉の使用を発案したり、推進した方々によれば、ビハーラには僧院だけでなく、安住とか休養の意味もあるんだとか。

 インドでヴィハーラと呼ばれる昔の石窟寺院を見たり、南アジアや東南アジアでヴィハーラという言葉が、今も仏教僧院を指す言葉として生きているのを知っていることが先入観となって、私に違和感を感じさせるのかも知れないが、読みやすさを考慮しているにしても、「ヴィハーラ」でなくて「ビハーラ」なのも、ちょっと気になる。

 もちろんこの言葉に携わる方々は、慈悲の精神に基づいた良い行いをされている訳だし、すでにビハーラという用語は定着しつつあるから、それに水を指すようなことを言うくらいなら、お前にもっと良い用語の代替案はあるのかと、お叱りになる方もあるかも知れない。

 だからあんまり大声では言えないのだけど……「ホスピス」でいいんじゃないの?

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ホスピスについては、



ヴィハーラについては、


をご覧ください!!