本日、先ほど、比叡山の光永圓道師は、千日回峰行を無事満行された。6時過ぎから無動寺の明王堂で待つ信者の数は、時間と共にだんだんと増え、8時ごろには50人程の人数が、阿闍梨さんの帰りをお待ちした。
そしていつものように、阿闍梨さんの杖と拍手の音が無動寺谷から聞こえると、やがて石段を上がって来られた阿闍梨さんの檜笠が見え、信者たちは合掌で出迎えた。
本堂前でのお勤めを終え、三列に並んだ信者たちに、阿闍梨さんは回峰行中最後のお加持を授けて下さった。早朝から熱心にお参りし、満行の瞬間に随喜するという稀有な体験をしていながらも、我々の心は何と我執に満ちていることだろう。そして、その娑婆世界の我々の悲喜こもごもを、阿闍梨さんのお加持が一瞬にして昇華するのだ。
圓道大阿闍梨はやはりまた、いつものあのさわやかな口ぶりで一同に、「ただ今戻りました! おかげさまで無事満行でき、ありがとうございました!」と挨拶された。それは回峰行の歴史上、稀有にさわやかで涼やかな、新しい大阿闍梨誕生の瞬間でもあったに違いない。
千日回峰行の無事なる満行を、心よりお喜び申し上げます。
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