三橋円寒師 ヴィプラティッサ比丘のこと | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

 テラワーダ仏教に興味のある日本人にとって、日本人上座部僧 三橋円寒師(ヴィプラティッサ比丘 Ven. Bikkhu Wipulatissa)の名は、タイのプッタタート(ブッダダーサ)比丘の著作の翻訳者として有名かも知れない。実を言うと、このホームページやブログに時折り登場する、私がインドのブッダガヤ日本寺に赴任した当時の駐在主任、長老格のお坊さんとは、誰あろう、このヴィプラティッサ比丘のことだ。

 

 当時の慣例に従って三橋さんと呼ばせて頂くが、初めてガヤの駅に降り立った私が、自ら出迎えて下さった三橋師に「先生」と呼びかけると、開口一番、「お互い、さん付けでいいから、その先生というのは、やめましょうよ」と仰って下さった。

 

 タイでのテラワーダ修行を終えたばかりだった私が、ガヤ駅からブッダガヤまでの車中でヴィパッサナ瞑想について尋ねると、「私はそのヴィパッサナという言葉を使うのも、あんまり好きじゃないんですよ」と、いたずらっぽく笑って仰った。そして数年後に日本寺を離山されるまでの間、我々若輩の僧侶に対しても、終始、敬語で話しかけておられたものだ。

 

 三橋師はスリランカで得度後、タイのスワンモークやマレーシアのペナン島で修行を続け、90年代にはブッダガヤの日本寺で、得意の仏教英語を駆使して禅を説き、その飾らない気さくなスタイルで、特に西洋人参禅者に絶大な人気があった。今でもブッダガヤでは師の噂を耳にすることがあるほどだ。

 

 久しぶりに御連絡を差し上げたら、現在は日本で読書に親しみ、坐禅瞑想に精進する、言葉の正しい意味での、悠々自適の日々だそうだ。日本寺を離れる直前まで翻訳にかかりきっておられた、プッタタート比丘の「仏教人生読本」の在庫はもう無いそうだが、その後に訳された「観息正念」は、残部僅少ながら、まだ入手可能だとのこと。

 

 日本におけるテラワーダ仏教研究にとっても貴重な資料であるこの本が、早晩、入手不可能になるのは必至だ。正しい仏法を伝えるべく、無料頒布して下さるそうなので、必要な方は、急ぎ三橋師に御連絡を!!
 
⇒その後、在庫はなくなり、以下の通りの状況となっております!!

 

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タイの高僧プッタタート比丘による「仏教人生読本」「観息正念」(三橋ヴィプラティッサ比丘日本語訳) PDF版 CD-ROM頒布に関しては、お陰さまでほぼご希望の皆さま全てのお手元に、順調にお送りさせて頂くことができました。

以前からインターネットでプッタタート師の教えや著作の紹介に努めて下さっていた先達の皆さまの活動や、プッタタート師の著作の他訳者による日本語版書籍の刊行などもあり、また三橋師ご自身の一身上のご事情なども含めて、私たちの法務に一区切りを付けるべく、2017年4月1日以降は、この頒布申し込み作業を終了させて頂くことに致しました(今後、入れ違いにお申し込み頂いた方には責任を以て発送させて頂きます)。

もしも、これらの件に関するお問い合わせなどご用件のある方は、本ブログのメッセージ欄宛てにご連絡頂ければ幸いです。

 

これまでにお申し込み頂いた皆さま方におかれましては、何かと暖かいご支援を頂きましたことを心より感謝致しますと共に、どうぞ是非お手元のCD-ROMを基に、ブッダの教え、プッタタート師の教えを世の中に広める法施の一端を担って頂ければと思う次第です。

以上、取り急ぎ皆さまにはご連絡まで。

ご法縁ある全ての皆さまに改めて篤く御礼申し上げます。

                             合掌

 

※「ホームページ アジアのお坊さん 本編」