ブッダはいつ入滅したのか?…仏暦、涅槃会、涅槃図の猫 | アジアのお坊さん 番外編

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 2月15日は大乗仏教でブッダが亡くなったとされる涅槃会(ねはんえ)だ。

 ブッダの死を入滅(にゅうめつ)と言い、ブッダ入滅の年を仏滅年代と言う。仏滅年代は南伝では紀元前543年頃、北伝ではそれより100年か200年ほど時代が新しいことになっているが、これは学問上の話で、現在テラワーダ仏教圏では紀元前544年か543年を起点とした仏暦を使うが、大乗仏教圏で北伝の仏滅年代を基にした仏暦を使っているわけではない。大乗仏教圏で仏暦を使う場合もテラワーダ仏教に準じた仏暦を使うことが多い。

 数え方の違いでスリランカ、ミャンマー及び韓国仏教では紀元前544年、タイや周辺の国では紀元前543年を起点としている。今年はスリランカや韓国式では仏暦2553年、タイ式だと仏暦2552年だ。

 ブッダが入滅した月が2月なのか、テラワーダ仏教が伝えるように5月頃なのかについては諸説あるが、水野弘元博士によれば2月が正しいようだ。
 
 涅槃図に猫が描かれていないことについて、当時インドに猫がいたとかいなかったとか、いろんな伝説があるとかないとか諸説あるが、ブッダの死を伝えるマハパリニッバーナ経に「猫の這い出る隙間もない」という表現があり、日本の伝説と違って原典に猫が出てくるのがおもしろいと、中村元博士が言っている。

※2008年2月15日付ブログ「ブッダ最後の旅」、2008年5月19日付ブログ「ブッダの誕生日」もご覧ください。