「地球の歩き方」と「ロンリープラネット」日本語版 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 何だかんだとご批判やご不満はあれど、私はやっぱり「歩き方」が好きだ。確かにこれを堂々と持ってバンコクの町をきょろきょろ歩く姿はどうかと思うし、独りよがりの投稿や、適正でない情報もないではないが、「両替所は税関を出て左に進み…」とか「タクシーのドアは自分の手で開けて行き先を告げ…」とか、こんな親切なガイドブックがどこにある? タイやインドなら「歩き方」無しでも大丈夫、という人だって一度や二度はお世話になっただろうし、何よりこのシリーズのおかげでどれだけの日本人が、個人で海外に出かけてみようと思い立ったことだろう。読み物としても十分に旅情をかきたて、どこかに行きたくさせてくれる本だ。

 英語が苦手でないならば、「歩き方」よりも重たい、という難点はさて置き、やっぱり情報量ではロンリープラネットだ、という人も多いだろう。ただ、たった一つの単語の意味がわからないために、まったく逆の意味にとってしまう危険性もあるので、メディアファクトリーから出ているロンプラの日本語版を活用するのも一つの手だ。
 ただこの日本語版、どういうわけか訳が堅い。妙な直訳調の文章なのだ。インドのブッダガヤのページを見ても、「瞑想と仏教修養会」? 「修養会と静修」? 「真理研究所」? 英語が苦手でないなら、元の単語を推測するのも一興だ。