Yes,I am a Buddhist! | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

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 いつも悪いことをせず良いことをするように心がけていれば、自然に心が浄まる。それがブッダの教えだ。お釈迦さまを始めとするすべての悟りを開いた人=ブッダが説いたのは結局これに尽きるから、この教えを七仏通戒偈と言い、上座部仏教でも大乗仏教でもこの偈文を共通して使う。

 ブッダとブッダの教えと、その教えを守り伝える仏教徒の集団を全面的に信頼することを、仏、法、僧の三宝に帰依すると言う。聖徳太子が「篤く三宝を敬え」と言ったのもこれだし、アニメの一休さんの歌にある「なむさんだ~」も「南無三宝」を略したものだ。

 心が執着を離れるよう心がけていれば、それで立派な仏教徒だけれど、もし仏教徒としての基本的な拠り所が必要なら、まずは三宝に帰依すればいい。上座部仏教でも大乗仏教でも、もちろん日本の仏教でも、これは基本の基本だ。そして良いことをして悪いことをしない。いわゆるハ正道を実践する。大乗仏典を代表する阿弥陀経にさえも、極楽で迦陵頻伽(かりょうびんが)をはじめとする鳥たちが八正道を説けば、みんなが仏法僧を心に留めると書いてある。

 さて、ブッダガヤに来た日本人旅行者が言うのに、仏教の修行がしたいと思ってインドに来たんですが、要は修行って八正道ですよね。はい、確かに八正道は仏教徒が実践すべき基本的な徳目で、ただしそれだけを本で読んで暗記しても云々と私が言うと、なるほどつまりは八正道ですね。ええ、だけど例えば瞑想とかを続けてその上で云々と私が言うと、じゃあ、その上で八正道ですねとその人が言う。まあそうです、はい、つまりは八正道です。こんな押し問答を繰り返したのだが、今思えばつまるところ、仏教の修行の基本は八正道です。あの人は迦陵頻伽の化身だったのかいな。

「アジアのお坊さん」本編の「Are you a Buddhist?と聞かれたら…」も参照下さい。